ゲーム概要
ナグザットより2000年4月6日にプレイステーション用ソフトとして発売された恋愛アドベンチャーゲーム。主人公の行動を選択して行くことでストーリーを進める小説形式のゲームとなっている。フル画面、フルボイスで展開し、主人公の行動はもちろん、主人公以外の登場人物の行動もプレイヤーの選択によって様々に変化する。幽霊の少女・あやめとの出会いが、今まで平穏だった生活に変化をもたらし始める事になる。
プレイ画面
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レビュー
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カズタマ
★★★★ ★ 4.0
投稿日:2022年11月11日
まぼろし月夜 月夜野綺譚
『まぼろし月夜 月夜野綺譚』は、ヒロインを理解し、励まし合い、それぞれの想いを深めることで展開される、ちょっぴり切なく甘い恋愛マルチストーリーを楽しめる小説形式のアドベンチャーゲームです。
物語は6月21日から9月1日までの2ヶ月間となっています。
また、先に発売されていたドリームキャスト版で人気だったサブキャラ「御所颯姫」「大嶋つむぎ」がヒロインに抜擢されていて、攻略可能なヒロインは11人となっています。
【ストーリー】
初夏の夕方、丘の上公園で出会った少女「朝霧あやめ」は幽霊だった。
すったもんだの挙げ句、あやめと同居することになった主人公は、彼女の子孫「朝霧南」や幼なじみの「鳴海理央」、親友の「坂上葉月」たちとあやめのを無事成仏させる方法を見つけようとするが・・・。 -
★★★★★ 5.0
まぼろしなみに隠れた良作
絵も時代設定も、物凄く時代を感じる…
プロローグで親友?キャラにCDをダビングしてやる、という会話になり、CD-Rかあ…なんて思ってたら「じゃあ明日カセット持って来いよ!」…カ、カセット…!?
せめてMDじゃないのか…?
携帯電話も当然出てこないので(なぜか1人だけ携帯とPHSを持ってるキャラがいるが。しかもピッチって呼んでるし)すべての連絡は固定電話を使い、外出時は電話ボックスを使う。
絵も古臭く、「同級生」っぽいタッチ。作風も絵もとても99年(PSは2000年)とは思えない。
97年の「ネクストキング」よりずっと古い。でも随分可愛く描けてる。
・オリジナリティ
幽霊がヒロインというのはたまにあるが、扱い方、描写の仕方はかなり新しい。
憑依する少女と三角関係になる展開も新しい。
その他、設定、ストーリーなども無駄にオリジナリティがある。
・グラフィック
キャラデザの原画と違いすぎるが、とても可愛い(原画のほうが可愛いが)。特に立ち絵のパターンが多過ぎて驚いた。
ポーズも表情も多彩で、しかも物を持ったらちゃんとそれが反映される。
自転車に乗ったら自転車に乗る。
しかも1度しか登場しないモブにもほとんど絵がある…。更にそんなモブにいたっては同時に4キャラ表示されたりする…。
原画はいま見てもとても綺麗。「ドラえもん」の同人誌が一番有名な田嶋安恵だが、さすが。
・シナリオ
キャッチコピーの「あなたに贈ります、胸が痛むほどの感動を‥‥。」はかなりオーバーだが、感動系で、概ね面白い。
いまでいう泣ゲー。「恋愛ノベルアドベンチャー」を銘打っているが、恋愛要素はほとんどのキャラで非常に薄く、心霊に関する体験で主人公とヒロインが徐々に仲よくなり、EDでやっと主人公とヒロインの恋が始まる感じ。同時期の「Lの季節」と同じだが、こちらは恋愛を謳っている割に恋愛要素がなぜか薄い。キスすらしない。
・声優
当時の人気声優ばかりを集めているが、生き残ってる声優が堀江、かかず、保志のたった3人しかいない…。今井由香とか超懐かしい。
堀江由衣とかかずゆみの声質が今と全然違う。堀江は声質がとても大人っぽい(若手新人だったのに)。
今は細くて幼い声になってるからね(もう相当いい歳なのに)。
もうこの声出せないだろうな…
保志は美形キャラとキモキャラという両極端な役を2つ(+モブ)やってて、やっぱり上手い。
総合するとかなりの良作以上、名作未満。 -
★★★ ★★ 3.0
けっこう泣ける
パッケージの絵がかわいいのでだいぶ前に買いました。ゲームを始めて最初の雰囲気は軽い感じだったんですが、最後のほうは、キャラによってはなかなか泣ける展開もありました。
というか一番メインのキャラ?のあやめさんがいいです!かわいい。絵は、やたら胸が大きいのがいやでしたし、ちょっと人を選ぶ絵柄かな、とも思います。絵自体は私は好きでしたが。
あとはなんだろう・・・攻略は、上のあやめさん以外は割とスムーズに見れました。基本的に狙っている子に会いに行けばいいので。
カレンダーに、その日その場所で会えたキャラが表示されるので、けっこう便利でした。
ただ、それだけだとエンディング見れなかったキャラもいました。
最後に流れる曲はしんみりしてていいですね。 -
★★★★★ 5.0
夢で見た女の子に恋したことありませんか
このゲームは主人公を昔の恋人と勘違いしている幽霊の女の子(表紙)と同居する恋愛シミュレーション寄りのアドベンチャーゲームです
攻略可能ヒロインは全員で11人
夏の約2か月間、海水浴やお祭りなどのイベントを経験し、攻略キャラの物語を進めていくことになります
良い所は、キャラクター・ストーリー・グラフィックが素晴らしい
キャラクターの思想には、上っ面だけ整えて発生するような矛盾がなく、皆タイプは違えど活発的で女の子らしく、真っ直ぐで可愛い娘ばっかりです
直接本筋に関係のない日常パートのイベントにおいても、そんな娘たちの会話を見ていると心が澄んでいくのを感じます
素晴らしい演技を見せてくれた声優にも感謝
ストーリーにはキャラクター一人一人の持つ悩み・性格がテーマとして密接に絡んでくるので、キャラクターの成長と共にメッセージ性をプレイヤーに示してくれており、より深い感動を味わうことができます
メインルートというか、このまぼろし月夜のエンディングとしてはやはり幽霊の女の子ルートがキレイに思いましたが、どのルートにおいても個別に裏テーマが用意されているので、物語としてはどれも感動的に仕上がっています
グラフィックは、古いゲームなので人を選ぶこともあるでしょうが、女の子の一枚絵CGはどれもキャラクターの内面・ストーリーの展開を象徴した味わい深い物となっています
また、明るく可愛らしく書かれた絵が多く、このゲームのCGギャラリーは宝石箱みたいになりました
ただ、女の子の立ち絵の私服の種類が、制服と私服の2種類しかない娘がいて、さみしく感じました
悪いところ
・時代を考えれば仕方ないことだが既読シーンのスキップが結構遅い
・共通ルートが多い&長く、周回プレイで別のヒロインを攻略時、まどろっこしい
・DISCが2枚に分かれており、前半と後半でDISCを好感しなければならない
・上記3つの理由により、周回プレイが面倒に感じてしまう
・主人公の悪友が2人いるが、両者共にかなりうざったい
・どの女の子を攻略中でも、幽霊の女の子とは同居しているので、それをほったらかしていることに後ろめたさを感じる
・目当ての女の子がどこにいるかを当てることがノーヒントなので、セーブ&ロードを繰り返さないとクリアがほとんど不可能
・選択肢画面でセーブができない。これにより選択肢直前を見計らってセーブしなければ、気軽にセーブ&ロードができない
こういったシステム上の欠点が多くありますが、私が流した涙とカウパー液の量を考慮して★5とさせていただきます
最後に、直接このゲームの内容には関係ありませんが、私がこのゲームによって考えさせられたことを一つ
私は美少女趣味志向として、病弱っ娘・メガネっ娘があまり好きではないというか、その良さへの理解が難しいジャンルの一つとしてありました
しかし、霊と言う今にも消え入りそうな、存在そのものがあやふやな存在の朝霧あやめ氏
勝ち気だけど、自分に自信がないという二面性を眼鏡に込められた朝霧南氏
本作のメインヒロインであるこの両氏に、その新しいジャンルを理解させてくれたということで御礼の言葉を申し上げたいと思います
誰か人を喪うことによる悲しみは、その人に対し抱いていた好意の量と比例しており、別の喜怒楽に比べると、より深く長く記憶に残る感情と言えます
そして、人は誰かを喪った悲しみのエネルギーと、その娘を可哀想に思うやり場のない感情を、その人への好意と変換することにより、更にその人のことを未練がましく好きになってしまうのです
私が思うに、病弱っ娘萌えというものは、夢で見た女の子を好きになってしまう現象に似ています
両方、その存在を喪ってしまった、又は喪うかもしれないという負の感情を好意へと変換しているからです
そして、このゲームには病弱っ娘は出てきませんが、メインヒロインである朝霧あやめ氏は前述したとおり存在そのものが薄弱な地縛霊であります
私はこの朝霧あやめ氏ルートを攻略中、そんなことを思いました
んで眼鏡っ娘についてですが、眼鏡を外すということは、自分の普段の姿から着具を外して普段隠している面を見せるという点において、裸を見せることと同じで、当事者が想像力を豊かに働かせることで非常に肉欲的本能に訴える刺激があります
そして、眼鏡をかける人と言うのは、二つの顔を持っているわけであります
眼鏡をかけている顔とかけていない顔
この眼鏡に対し、かけている人が何か「コンプレックス・強さ・大人っぽさ」みたいな意味を付け、眼鏡をつけ外しすることにより二つの人格を意識することができるのです
これは見ている人も同じことで、眼鏡をかけている顔とかけていない顔の両者を見ることで、より深い人間性を対象に見出すことができます
朝霧南氏はその肉欲的な魅力と、劣等感と自信の二面性を兼ね備えた、私に上記の眼鏡っ娘の魅力を教えてくれた、このゲームで私が一番好きなキャラクターです
私がこういった新しい思想を感じ取れたのは、このゲームの制作者に信念があり、それを良いゲームを作り感動的な物語と共にプレイヤーに伝えたいという熱い想いと、魅力的なキャラクターを生みそれをプレイヤーに気に入って貰いたいという愛があったからだと思います
このゲームに出会い好きになれたことは私の誇りの一つです -
★★★★★ 5.0
おすすめです
プレイしてからもう何年も経ちますが、今でもたまにプレイしなおしている名作恋愛ゲームだと思います。
過去にパラメーター上げ型の恋愛SLGは2,3やった事があったものの、ノベル系はそれまでプレイした事がなく、ゲームアーカイブスで600円と安く配信開始されたので試しに買って遊んでみたのですが、かなりはまって全キャラクリアする事に。
購入前にwebなどで見た時は絵にクセがあると思ったのですが、実際プレイするとそうでもなく、それぞれのキャラがきちんと個性的かつ魅力的に描かれているのが良かったです。
シナリオについても、その後にやったいくつかの恋愛ゲームのようなキャラやストーリーのチープさはなく、きちんと物語やキャラをかける人が脚本を書いていると思いました。(ヒロインのエピソードが特に良かった)
パラメーター上げ型の恋愛SLGはイベントが発生する頻度が低く、パラメーター上げや「何々と下校した」だけの退屈な展開ばっかりで全然はまれなかったのですが、このゲームのようにノベル型の場合、どんどんストーリーが進んでいって退屈な要素が無いのが良かったですね。
システム的にも、周回プレイするほど好みのキャラがより落としやすくなるという独特のシステムになっていて、このおかげで周回プレイが全然苦になりませんでした。
今現在はゲームアーカイブスで600円+αで配信されているので、PS3やPSP、PS vitaをお持ちの方で恋愛ノベルゲームが嫌いでない方、また今までこの手のゲームをプレイした事がなかったけど興味がある方は、是非プレイする事をおすすめしたいです。
あと、開発会社の方には是非iphoneやipad、androidタブレット・スマホにも移植して、そっちでもこの名作をより多くの人が遊べるよう頑張ってもらいたいですね。
この作品を隠れた名作としておくのはもったいないです。 -
★★★★★ 5.0
良かったです
テキスト型アドベンチャーと違って、プレイヤーの判断(移動先)でストーリーが進行する為、繰り返しのプレイが苦になりません。ドリームキャスト版では攻略出来なかったキャラも、攻略可能になっています。
各キャラのストーリーも、とても楽しめるものでした(只、あやめさんのエンディングには、びっくりでした。ですが、これも有りだと思えます)。ほのぼのとした、現代ファンタジ-を求めている方に是非お薦め致します。
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最終更新日:2022年11月11日 PR