アドバンスド大戦略 ドイツ電撃作戦

Advanced Daisenryaku Deutsche Dengeki Sakusen
★★★★4.8(5件)
機種
メガドライブ (MD)
ジャンル
シミュレーション (SLG)
発売日
1991年6月17日
メーカー
セガ
定価
8,700

ゲーム概要

セガより1991年6月17日にメガドライブ用ソフトとして発売されたシミュレーションゲーム。第2次世界大戦のヨーロッパ戦線をモチーフにしている。基本的な戦闘システムはヘックスを用いた『大戦略』シリーズのままだが、ユニットの進化や改良が可能になるなど、アドバンスドの名にふさわしい特徴を付け加えている。

プレイ画面

※このページで利用しているゲームプレイ画像及びゲームイメージ画像の著作権は、メーカーであるセガ様が権利を所有しています。
© 1991 セガ All Rights Reserved.

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レビュー

  • ★★★★★ 5.0

    レトロ戦術シミュレーションゲーム最高峰

    第二次世界大戦の欧州戦線を、アドルフヒトラーの指令に従うドイツ軍団長の視点でシナリオに沿って進めるステージクリア型です。
    自軍ユニットは経験をつむと強くなり、次世代機へ改造したりできます。
    兵器数は敵軍合わせて500くらいだったかと。
    兵器の進化パターン、ステージ分岐するマルチエンディングシステムとボリュームがあり、長く遊べます。
    クリアは難しいですが、大戦略の中でもルールはかなりシンプルであり、部隊の運用方法など大戦略系ゲームの基礎力をつけることができます。

    国産ならではと言いますか、キー入力もよく練られており、下手なマウス操作より快適かもしれません。
    CPUの思考速度は、後半になると20分?30分はざら。
    後世リメイクされたPS2版で、再現が難しいと断念された戦闘アニメはたしかに緻密で、ハードウェアを理解した当時のプログラマーの腕のよさは感じます。敵の動きもシンプルで慣れるまで強いです。
    メガドライブのCPU(MPU)はNEOGEOと同じもので、その計算速度は同時期のライバル機スーパーファミコンの倍以上であることを考え合わせますと、このゲームは、要求にハードが追いつかなかった「早すぎた傑作」と言えるでしょう。
    (拡張計算チップをつんだスーパーファミコン後期の同様タイトル「大戦略エキスパートWW2」でも本作以下のボリュームで、同等かそれ以上の時間がかかりますし、操作間もモッサリしています。)

    同時発色数の多さ、回転拡大縮小など映画的な計算描画機能、生演奏に近いサウンドチップなど、当時市場を席巻していたRPGの文脈でのエンターテイメント性を押さえていたスーパーファミコンに軍配があがりましたが、そういった条件に左右されにくい、光栄シミュレーションなどで処理速度を比較すると、その差は歴然としています。

    そしてメガドライブでも遅い思考速度は、retroN5など早送りできる最新の互換機であれば5分の1くらいに短縮できますので、現行機と同じくらいノンストレスで進められます。良い時代になったものです。

    ゲーム内容の話に移りますが、やはり史実どおり、後半は敵の大軍を食い止めるだけで精一杯になります。
    あるステージマップで頑張って敵首都を占領しゲームルール上「勝利」したとしても、第三帝国の崩壊を止めることはできません。
    なし崩し的に自国防衛ステージまで転がり落ちていく。これが基本的な流れです。

    ストックできる部隊数も64部隊がMAXであり、ステージを進めるに従って断腸の思いで取捨選択に迫られることになります。
    軍事費もあまり貰えなくなり、当時の将軍達の苦悩を仮想体験することができます。(開発者のねらいも、そこにあるそうです)

    ただ、「敗北」するとそこでゲームオーバーですので、いかに自軍の損耗を防ぎながら最終ステージまで「引き分け」続けるかが、このゲームの醍醐味であり、ドイツが破局へ向かう中でも絶望せずに、ゲームとしてはファイトを持って楽しんでプレイし続けられる理由だと思います。

    なお序盤ステージでは、「引き分け」ると、部隊のレベルを引き継いだ上で同じステージの繰り返しになりますので、これをわざと繰り返して部隊を精強しながら大戦序盤を「大勝利」で進めれば、ドイツが第二次世界大戦を制する架空歴史のエンディングにもたどり着くことが出来ます。
    (難しいステージに進みますが、むしろ長く苦しい戦いで引き分けを強いられる史実ルートより楽かも知れません。)

    歴史>プレイヤーとしつつも、歴史のIFを用意していて、その実現も不可能ではないというところが1991年にメガドライブで発売されたこのゲームの凄さなのです。

    起動後のオープニングでは、いきなり演説するアドルフ・ヒトラーと高揚する群集の画像・音声が流れ、その後、第二次世界大戦が勃発するまでの経緯が写真つきで簡単にテロップされます。
    ゲームのメイン画面では明確なナチ旗表示はありません。
    歴史背景や戦況はステージ間にタイプライタ形式のメッセージ表示で語られ、わが国の国営放送の歴史ドキュメント番組を見ている気になります。
    これがメガドライブのゲームソフトでやることか、と感心するほど見事な演出ですが、あくまで戦争の状況説明であり、当時の特定のドイツ国内問題には触れてません。
    最終ステージでは、かの国から悲壮な激励電報が届きます。
    ゲームなのに、わが国も関与した史実がベースなのでつい、たまらない気持ちになります。

    簡単な裏技入力で、マップエディタや敵軍操作、禁断の核兵器など、よくぞこれほど詰め込んだなといえるくらい充実した内容になっています。
    兵器カタログ付の取扱説明書は分厚く、開発者の執念が感じられます。

  • ★★★★★ 5.0

    カクバクダン

    これに尽きる。

    MD版は他の方の言うとおり名作です。
    私も敵のターン中に寝ていました。

    sega ages 2500シリーズでPS2版が出たがバグやら無駄な3Dグラフィックやら不具合続出です。
    MD版では例の爆撃機の装備にある「カクバクダン」を使用できる隠しコマンドがあったが、PS2版では「NOT」となり表示すらされなくなった。

    これを改悪という。

    SEGA Agesのテーマであったオリジナルの状態を現代に再現するというコンセプトは完全に詐欺であった。
    願わくばこのカセットを高速で動作させる専用筐体を開発したいと思う。

  • ★★★★ 4.0

    史実を忠実に再現したゲーム性。これで勝利できればあなたは本物!

    史実通り敵の赤軍は強烈。史実に忠実な点は、スターリングラードの攻防戦で味方の部隊の渋滞によって満足に前線に予備選力が送り込めないほど。
    ちなみにこのゲームが発売されたとき、「クリアーできない」という苦情が来たらしいが、それに対する回答は「史実を重視したゲームなので、すべての人がクリアーできるようには作っておりません」という物だったらしい……すばらしい!!
    コンピュータの思考時間が長い(長い時は1ターン当たり30分以上の場合もある)のがちと難点だが、それさえ我慢できればやり甲斐はある。
    もちろん、ちゃんと戦えばクリアーは可能。もしどうしてもできないという人へのアドバイス。
    1. 長距離攻撃のできる重砲は、このゲーム攻略の肝。1門たりとも損害を出さないようにすること。
    2. 37ミリ砲、2号戦車等の3級兵器をぞんざいに扱わないこと。彼らは警備用、あるいは偵察用(敵の侵攻方向に対する捨て石とするなど)として有用。2号戦車辺りはスターリングラード辺りまでは残すぐらい大事に使うこと(そうでもないとスターリングラードの大消耗戦を乗り切れない)
    3. 5号戦車、6号戦車は切り札。接敵した相手は必ず全滅させ、相手の視界にさらさないこと。
     以上のことを肝に銘じてレッツトライ!成功を祈る。 

  • ★★★★★ 5.0

    セガにとってもメガドラにとっても画期の1991年を代表する傑作

    1990年の暮れにスーファミが発売された。発売直後のソフトの充実ぶりは圧倒的だった。スーマリワールド、エフゼロ、シムシティ、FF4などだ。当時のセガの開発部隊も営業部隊も宣伝部隊も相当な危機感を感じていたと思う。1988年の暮れに発売された後、約二年ぐらいはメガドラのソフトの発売本数が少なかった。遊べるソフトも少なかった。(スーファミの発売時期である)1990年の暮れぐらいからよーやくソフトの発売本数・質ともに充実し始めてきた。流通する商品の質を高め、消費者に満足をもたらした「フェアな競争」の典型例だった。

    1991年の夏にソニックとA大戦略が発売される。満を持してキラーソフトを投入したスーファミに十分対抗できるだけの潜在力がメガドラにあることを満天下に示した。当方、1991年7月にソニックとA大戦略をまとめて購入したのを今でも覚えている。

    確かにA大戦略はとっつきがあまり良くないテーマを扱っているゲームだ。でも、初心者への配慮があって、始め優しく後難しいゲームだ。パリ占領(ソンム・マジノ)までのシナリオで一通りのことが覚えられるようになっている。

    当方は、フランスマジノで完勝できずにアフリカ戦線に進んだ(キレナイカ、トブルク、エルアラメイン、フレンチアフリカの順)。ヨーロッパ戦線は、シシリー、サレルノ、アンツィオまで進んでストップした状態だ。当時、ビーメガで「(航続力に泣かされない)戦闘機FW190Aがエントリーされたら、飛び上がって喜ぼう」と書かれていたが、本当に飛び上がって喜んだのを覚えている(本当にやりこんだ人しか分からない)。当時、徳間書店の攻略本で「全く使えないタコ戦車VK6501」はあまりに有名になっていたので生産を回避した(卑怯者のそしりをあえて受けようとも)。

    というように二十年以上の歳月を経ても、キャンペーンシナリオ順やユニット性能が記憶に刻み込まれているゲームだ。A大戦略まで、三国志や信長の野望は遊んでも、ヨーロッパ戦線には関心が無かった。徳間書店の攻略本を読みながら遊ぶうちに、自然に覚えられるようになった。ユニットの取捨選択も自然に分かるようになった。アメリカ参戦後のヨーロッパ戦線は、戦闘機・対空戦車・潜水艦での敵の足止めがほとんど全てになってしまうが、それでもファイトが湧いてくる不思議なゲームだった。

    傑作なだけに気になる点は多い。
    1)ゲーム性を重視するために縮尺を度外視したこと。
    2)敵の思考時間が長すぎること。なりふりかまっていられない後半シナリオになると、敵の間接攻撃が外れるまでリセットをかけて粘ることが多いので、なおさら時間を食う。敵の思考時間が長すぎるので、社会人になってからは遊ぶ時間が確保しにくい。
    3)1943年以降の独ソ戦のシナリオが省略されている。
    4)オマケ設定である索敵下級(敵のみがこっちの手の内を見られないモード)が標準設定では使えない。
    5)イタリア軍も含めた総指揮権が欲しい。
    6)終盤の進化・改良型で序盤のキャンペーンモードから戦いたい。

    などだ。ムシがいい要望が多いが、遊びこんでくると気になることばかりだ。シミュレーションゲーム初心者にとっては、シナリオ順に進んでいけばコツをつかめるゲームだ(徳間書店の攻略本があるとなお面白い)。他機種の大戦略が面白い人とっては、試験前に絶対に遊んではいけないゲームだ。「都市・空港を占領するたびにユニットを補給・補充し、次の攻略目標を目指し制空権を確保する。」という作業がずーっと続いてしまう。(光栄の三国志と同様に)ゲームをやめる区切りが非常につきにくい。

    セガにとって、マーク3時代は、ファミコンの一人勝ちを許した。メガドラ時代は、あやうくスーファミの一人勝ちになりかけた展開に「待った」をかけた。ソニックと本作品の力によるところが大きいと思う。本作品の面白さに星五つ、歴史的な意義に星五つ、星十個以上の傑作ソフトです。

  • ★★★★★ 5.0

    セガの大戦略シリーズの原点がある

    今は懐かしいアドバンスト大戦略。
    今でも、時々遊べるほどに面白い作品です。
    確かに最近のグラフィックの進歩は驚きますが、システムの完成度ではこれを抜く作品に仕上がっていません。
    確かにロード時間というか思考時間は半端じゃないぐらいにかかります。
    壊れたのかと思うぐらいにピクリともしないのですが、それが、またノスタルジックなゲームの良いところです。
    オープニングに実写映像を取り込んでみたり、このROMカートリッジにしては大変がんばっていると思います。
    だんだん難しくなるのですが、進めていくうちに、こちらも上達させられるところが憎いですね。

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最終更新日:2024年10月7日 PR