ゲーム概要

プリンセスソフトより2003年5月22日にプレイステーション2用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲーム。冷酷な暴力の世界の中で運命の糸を絡ませる2人の暗殺者の物語を描いた『ファントム』がハードボイルドアドベンチャーとなって登場。謎の組織「インフェルノ」の最強の暗殺者・ファントムと出会った少年・怜二は、記憶を消され、組織で暗殺者として成長し、ファントムと共に修羅の世界を生き抜いていく。

プレイ画面

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レビュー

  • カズタマ

    ★★★★ 4.0

    投稿日:2024年5月6日

    Phantom PHANTOM OF INFERNO

    『Phantom PHANTOM OF INFERNO』は、PC版やDVD版で人気を博していたアドベンチャーゲームのPlayStation2版となります。このゲームは、一人旅でアメリカを訪れた主人公が、事件をきっかけに謎の組織「インフェルノ」の最強の暗殺者「ファントム」と出会うところから物語が始まります。ファントムの正体は主人公と同じ年頃の少女であり、彼は記憶を消された後、暗殺術を学び、組織内で最高の暗殺者へと成長していきます。この凶暴で無法な世界で、主人公の純愛がどのような結末を迎えるのか、物語は深く展開しています。

    このPlayStation2版では、美麗な新作グラフィックが多数追加され、純愛ハードボイルドストーリーが豪華声優陣によるフルボイスで展開されます。注目すべきは、3DCGによる銃やカーアクションの映像美で、臨場感あふれるアクションシーンがプレイヤーを引き込みます。また、銃の選択による物語の分岐、ボイスセレクト設定、エンディングソング「Silence」など、DVD版から追加された仕様も充実しており、より多彩なゲーム体験を提供してくれます。

    本作の魅力は、ただのアドベンチャーゲームではなく、純愛とハードボイルドなストーリーが融合した独特の世界観と、それを支える高品質なビジュアルとサウンドです。ゲームの選択肢によって異なる物語の展開を楽しむことができ、複数回のプレイでも新たな発見があるでしょう。アドベンチャーゲームが好きな方、または深いストーリーとアクションを求めるプレイヤーに特にお勧めする作品です。

  • ジーティン

    ★★★★★ 5.0

    投稿日:2024年5月6日

    DVDビデオゲームで大ヒットしたビジュアル&サウンドノベル形式のアドベンチャーゲームのPlayStation2版

    『Phantom PHANTOM OF INFERNO』は、元々DVDビデオゲームとして大ヒットしたビジュアル&サウンドノベル形式のアドベンチャーゲームである。この作品がPlayStation2に移植されたことにより、多くの新要素が追加されている。PlayStation2版は、オリジナルのシナリオ、新たなカット、新作オープニングムービー、エンディング曲などが含まれている。また、DVD版で省略された銃器の選択が復活し、銃器CGとアニメーションが新たに追加されている点も大きな特徴である。

    このゲームは、ハードボイルドなアドベンチャーとして、プレイヤーに深いストーリーテリングと高度なビジュアル体験を提供する。特に、シナリオと視覚的要素の強化は、元のDVDゲームのファンだけでなく、新たなプレイヤーにとっても魅力的である。選択肢による分岐とマルチエンディングは、ゲームの再プレイ価値を高め、異なる物語の展開を楽しむことが可能である。

    本作の特徴は、緻密に構築されたストーリーと、それを支える映像と音楽のクオリティの高さにある。加えて、銃器の選択などのインタラクティブな要素が復活したことで、ゲームプレイの深みが増している。これらの要素は、ビジュアルノベルファンだけでなく、アクションや戦略を求めるゲーマーにも満足感を提供する。

    このゲームは、ビジュアルノベルとしての魅力に加え、PlayStation2としての新たな体験を提供するため、幅広いプレイヤーにお勧めできる。物語性の高いゲームを求めるプレイヤーに特にお勧めする作品である。

  • アマチャ

    ★★★★★ 5.0

    投稿日:2024年5月6日

    冷酷な暴力の世界の中で運命の糸を絡ませる2人の暗殺者の物語を描いた『ファントム』がハードボイルドアドベンチャーとなって登場

    『Phantom PHANTOM OF INFERNO』は、冷酷な暴力の世界を生き抜く二人の暗殺者の物語を描いたハードボイルドアドベンチャーゲームです。このゲームでは、謎の組織「インフェルノ」の最強の暗殺者であるファントムと出会った少年・怜二が主人公で、記憶を消された彼が組織で暗殺者として成長し、修羅の世界を共に生き抜く過程が描かれます。

    ゲームをプレイしてみると、ストーリーの展開が非常に引き込まれるものであり、登場するキャラクターたちの心理描写が緻密であるため、感情移入しやすいです。特に、暗殺者としての過酷な訓練と任務が織り交ぜられながら進む物語は、緊迫感に満ちており、プレイヤーを次第にその世界へと引き込んでいきます。

    また、このゲームは選択肢による分岐が多く、プレイヤーの選択によって物語の展開や結末が大きく変わるため、リプレイの価値が非常に高いです。選択することでキャラクターたちの運命が変わるため、異なるシナリオを楽しむことができる点も魅力の一つです。

    本作の魅力は、そのダークでハードボイルドな物語と、プレイヤーの選択が重大な影響を及ぼすゲームデザインにあります。これらは、アドベンチャーゲームファンだけでなく、ハードボイルドな物語を求めるプレイヤーにとって非常に魅力的であり、没入感の高いゲーム体験を提供してくれます。複雑で深い人間ドラマを体験したい方には特にお勧めの作品です。

  • ★★★★★ 5.0

    ゲームの可能性

    を感じさせる一本です。作り手の気合を感じる。実に細かく、綿密に、こだわって作られていると思います。かわいらしいキャラクターからイメージするような軽い恋愛系ゲームからは程遠い、重い内容。
    実際、少し重いです。内容が。楽しい雰囲気を楽しみたい方には向かないかも、と思わせるほど。視点となる主人公がとても真摯で、誠実なせいかもしれません。何しろ非常に過酷な運命に巻き込まれてしまうので。とても共感できました。絶賛だけしていても芸がないので、あえて少しだけ気になったことをあげていってみようと思います。個人的な感想ですので、参考にならない場合はご容赦ください。
    1、キャラクターの可愛らしさ(画)
    もちろん、少年少女の画が可愛らしい。大歓迎です。しかし、暗黒街の面々も、若干可愛らしいような・・・。せっかく背景も、ストーリーも、設定も丁寧に作りこまれて現実味の薄いストーリーにリアリティーさえ感じさせる仕上がりなのに、組織の幹部たちの画が全然迫力がない・・・。頭が大きいせいかな?ちょっともったいない感じがしました(リズィはかっこよかったね)。
    2、テーマ
    テーマに文句をつけるなんて、なんと大それたこと・・・。とは思いつつ、どうしても気になったので一言。このゲームのテーマは「純愛」、ならびに「愛のために人は強くなれる」もっと言えば「愛のためなら人はケダモノにだってなれる」と言うことだと思います。つまり、愛する人のために、人を殺してでも生きていけるのです。それが暗殺者となって暗黒街に飲み込まれてしまった主人公の運命なのです。しかし・・・。つまらない常識にとらわれる自分は、どうもそれが納得できない・・・。人を愛することと、人を殺すことはあまりにも矛盾が大きすぎるように思うのです。自分だったら、これ以上人は殺したくない、自分が消えてしまっても・・・と思う。と言うわけで自分が共感し、泣いたのは全然トルゥーエンドでもなんでもないエンディング9でした。ははは。ああ、こんなことを言ったら物語が成立しないし身も蓋もない。
    こんなことを真剣に考えさせるほど、この作品は重く深いと言うことです。映画に負けない、は言いすぎでしょうか。ゲームでぼろぼろ泣いたのは初めてでした。

  • ★★★★★ 5.0

    切ない純愛物語

    このゲームのテーマは「純愛」らしいが、それとはおよそ似つかわしくない暗黒社会が舞台となっている。
    ストーリーはふとしたきっかけから組織の一員として生きることを余儀なくされた少年、東 玲二と記憶を消され暗殺者として生きる少女、アインとの出会いから始まる。
    始めはこのダークな世界観のどこに「純愛」なんてテーマが盛り込まれているんだと疑問に感じていた。
    しかしストーリーが進むにつれ、この物語のテーマは間違いなく「純愛」だと感じるようになった。
    それは登場人物の心の揺れ動きに垣間見れる。
    決して表立った感情を見せなかったアインが、玲二と接するうちに微妙ではあるが次第に喜怒哀楽を見せるようになる。
    ホッとする反面、それが真意かどうかが分からずに一人悩む玲二。
    姉を殺された孤独な少女、キャルとの出会い。
    始めは疎ましかったが彼女の無垢な明るさに次第に心を開き、守るべき大切な存在に変わってくる。
    しかし別れは突然やってくる。
    その誤解が新たな悲劇を生む。
    アインもキャルも二人とも守りたいと願う玲二。
    しかしそれは叶わない。
    非情な選択を迫られる。
    大切な人を守る一方で大きなものを失う玲二。
    そこには不純な動機は存在せず、まさしく「純愛」そのものだと感じた。
    その反面、純粋すぎるがゆえの哀しさに切なくなった。
    このゲームのエンディングは複数あり、全て見たが真にハッピーエンドと感じたものはなかった。
    ただアインのエンディングで彼女が見せた笑顔。
    あれだけで全て救われた。
    僕はゲームでこんなに心を動かされたのは初めてだ。
    これはゲームを超えた一つの作品だと言い切ってもいい。
    多くの人にこの世界観に触れて欲しいので星5つ。

  • ★★★★★ 5.0

    最高のシナリオ

    このゲームは元々エロゲーとの事ですが、シナリオは最高にいいです。
    かっこいい、ハードボイルド、そういった種類のシナリオです。
    殺し屋として成長し、アインと行動をともにしアインを愛し、アインと対決していく第1章。
    最高の殺し屋として活躍し、キャルに癒されアインの影を追う第2章。
    そして第3章へ。
    キャラ的には男性キャラが本当に見せ場を作ってくれます。
    ワイズネルなんかかっこいいですよね。
    女性キャラもアイン、クラウディア、キャル、美緒、ドライと魅力的。
    ただ、アインの絵はもう少し可愛く書いて欲しいものもあります。
    セーラー服のアインは可愛いけど。
    個人的にはキャルがお気に入りなので、バッドエンドである「逃亡者たち」に救われます。

  • ★★★★★ 5.0

    ニトロプラス作品はなかなか

    原作が18禁のためエロゲーだのギャルゲーといわれ偏見をもたれる方が多くいらっしゃいます。しかしニトロプラス作品は萌えでなく燃えゲーです。業界でも登場人物男比率はNo1ですし、そもそもドラマ性を追求すれば、男女の愛の場面には自然とそういった性的描写も必要となります。それが必然ですから。ですのではじめてニトロプラス作品をプレイなされる方達にはそういった意味での必然の18禁と理解して下されば偏見をもたずに購入に踏み切れると思います。私も購入後にニトロ作品の18禁の意図が通常のギャルゲーとは方向違いでドラマ性を出すためのものだと知りました。そして今では全メディア全作品を所有しています。

    内容については既出の通りそこら辺のハッピーエンド感動ノベルとはちょっと違います。プレイヤーがいろいろ考えさせられる作品です。プレイ後得るものは人それぞれでしょう。そういった意味では自分自身を見つめることのできる大人の方には特にお勧めの作品です。子供には難しいかも。

  • ★★★★★ 5.0

    私にとっての最高傑作

    プレイし終わって、まず思いました。「間違いなく、今までプレイしてきたゲームで1番良かった。」余りにも悲しい境遇、辛すぎる存在、闇の如き世界。先の読めないストーリー、ハードで鮮血の香り漂う雰囲気に引き込まれ、時が経つのを忘れます。人間の黒い部分を覗き込んでいる感覚、そんな中にも生まれる悲しい愛。何かを得るためには何かを犠牲にしなければならないという、この世の原則のようなものをまざまざと見せ付けられます。残酷さに胸を裂かれそうになりながらも、育まれる愛に底知れない温かさを感じます。ここまで感傷に浸った作品は、全てを含めて初めてでした。本当に素晴らしい作品だと思います。偏見、先入観は良作を埋もれさせてしまいます。是非一度、向かい合ってみてください。

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最終更新日:2024年5月6日 PR