「バビロニアン・キャッスル・サーガ」は、日本のゲームデザイナー、遠藤雅伸による独創的で魅力的なビデオゲームシリーズです。このシリーズは、バビロニア神話をテーマにし、ナムコ(後のバンダイナムコエンターテインメント)から発売された一連の作品で構成されています。このページでは、そんな「バビロニアン・キャッスル・サーガ」シリーズとして発売されたゲーム作品を紹介いたします。
バビロニアン・キャッスル・サーガの誕生
シリーズの始まりは、1984年にアーケードでリリースされた『ドルアーガの塔』です。その後、いくつかの作品が続き、物語は時系列順に進んでいます。シリーズの作品は以下の通りです。
- 『ドルアーガの塔』the Tower of DRUAGA(TOD)(1984年7月20日/アーケード)
- 『イシターの復活』the Return of ISHTAR(ROI)(1986年7月8日/アーケード)
- 『カイの冒険』the Quest of KI(QOK)(1988年7月22日/ファミリーコンピュータ)
- 『ザ・ブルークリスタルロッド』the Destiny of GILGAMESH(DOG)(1994年3月25日/スーパーファミコン)
これらの作品は発売順になっており、物語の進行は時系列順になります。エピソード0は『カイの冒険』であり、エピソード1が『ドルアーガの塔』、エピソード2が『イシターの復活』、そしてエピソード3が『ザ・ブルークリスタルロッド(ギルガメスの道)』です。
ドルアーガの塔(ファミコン版)
黄金の騎士ギルを操作して、魔物にさらわれた王女を救出し、魔人ドルアーガを倒すべく、地上60階建てのドルアーガの搭に挑む面クリア型のゲーム作品となっている。行く手を阻む魔物たちを倒し、鍵をとって扉を開くことで1フロアクリアとなる。各階に隠された様々な条件を満たすことで出現する宝箱を取得し、戦いを有利に進めていこう。
ドルアーガの塔(PCエンジン版)
アーケードからの移植作。『バビロニアン・キャッスル・サーガ』の第1作。バビリム王国の王子ギルを操作し、60階建ての塔に潜む悪魔ドルアーガを倒してブルークリスタルロッドの奪還および恋人のカイを救出する事が目的となる。制限時間内に各種のモンスターを倒しつつ、迷路状の各フロアに配された鍵を取得し次のフロアに進んでいく。
カイの冒険
勇気を身軽さに変えるティアラを装備した主人公のカイを操作し、ドルアーガの塔を上っていく。恋人を献身的に介護しながら神へ祈りを捧げ続ける巫女、カイの姿に心を打たれた戦女神は、魔法のティアラを授けブルークリスタルロッドの奪還を命じた。こうして、カイは魔のうごめくドルアーガの塔へと、一人で乗り込んでいく。
ザ・ブルークリスタルロッド
『バビロニアン・キャッスル・サーガ』の第4作目にして最終作。ドルアーガの塔の主人公のギルガメスを操作し、天上界へとブルークリスタルロッドを届ける事が目的となる。舞台となるのは、大河ユーフレイト周辺にある「バビリム」を中心とした「炎の崖」「嵐の山」「死の砂漠」「スーマール帝国」の五つの地域。
外伝作品
いずれもドルアーガの名を冠しているものの、開発に遠藤は参加していない。ただし『ドルアーガの塔 〜the Phantom of GILGAMESH〜』のみ、スーパーバイザーという形で関与している。
- 『攻めCOMダンジョン ドルルルアーガ』(2000年12月15日/ナムコ/ゲームボーイ)
- 『ザ・ナイトメア・オブ・ドルアーガ 不思議のダンジョン』(2004年7月29日/アリカ/PlayStation 2)
- 『ドルアーガオンライン THE STORY OF AON』(2006年4月4日/ナムコ、開発・アリカ/アーケード)
- 『ドルアーガの塔 〜the Phantom of GILGAMESH〜』(2008年4月1日 – 2016年3月31日/ゴンゾ→ウィローエンターテイメント/Windows Vista以降)
物語の登場人物
物語の主人公「ギルガメス」
物語の主人公は、バビリム王国の王子である「ギル / ギルガメス」です。彼は神から授かった黄金の鎧を身に纏い、悪魔ドルアーガが復活した際にはその討伐に挑む勇者として描かれています。彼の目的は、囚われの巫女「カイ」を救い出すことです。物語は彼の冒険と、ドルアーガとの壮絶な戦いを中心に展開されます。
物語のヒロイン「カイ」
ヒロインの「カイ」はバビリム王国の守護女神イシターに仕える巫女であり、彼女の力を借りて魔法のティアラを身に纏い、ドルアーガの塔に挑むも敗北し、石に変えられてしまいます。しかし、ギルによって救出され、共に冒険を続けます。イシターは愛と戦の女神であり、ギルとカイの冒険を見守り、過去にドルアーガとの戦いで封じ込めたエピソードもあります。
物語の黒幕「ドルアーガ」
物語の黒幕である「ドルアーガ」は、6本腕の悪魔として描かれています。彼はイシターとの戦いで敗北し、封印されていたが、復活し再び立ちはだかります。物語が進むにつれ、彼の野望や過去の因縁が浮かび上がっていきます。
シリーズの特徴
シリーズ全体を通して、プレイヤーは古代の神話の世界に没入し、謎めいた塔や悪魔との壮絶な戦いに挑むことになります。時には仲間たちと協力して冒険し、謎解きやアクション要素が織り交ぜられたゲームプレイが特徴です。
「バビロニアン・キャッスル・サーガ」名称の由来
2006年にはPSP版『ナムコミュージアムVol.2』が発売され、公式サイトにおいても「バビロニアン・キャッスル・サーガ」として紹介され、シリーズ名として定着しました。これにより、シリーズは新たなプラットフォームに進出し、新たなファン層にも広がっていきました。
まとめ
「バビロニアン・キャッスル・サーガ」は、その独自の世界観、神話の要素とアクションの融合、そしてキャラクターたちの魅力によって、長い年月を経てもなお多くのファンに支持されている不朽のゲームシリーズの一つです。
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