『エストポリス伝記』シリーズは、タイトーから発売されたロールプレイングゲームで、壮大なストーリーと魅力的なキャラクターで多くのファンを魅了しました。本記事では、シリーズの各作品を振り返り、その魅力を詳しく解説していきます。
シリーズの概要

『エストポリス伝記』は、タイトーが1993年に発売したスーパーファミコン用RPG『エストポリス伝記』を皮切りに展開されたゲームシリーズです。続編の『エストポリス伝記II』(1995年)は、前作の数百年前を舞台にした壮大なストーリーと奥深いゲームシステムで高い評価を得ました。本シリーズは、剣と魔法の世界を舞台に、勇者マキシムの戦いを描く壮大なストーリーが特徴です。
シリーズの魅力は、感動的なストーリー、個性的なキャラクター、そして戦略的な戦闘システムにあります。また、ダンジョン内のパズル要素や、武器・防具の育成などのシステムもプレイヤーを魅了しました。2010年にはリメイク作品『エストポリス』(ニンテンドーDS)が発売され、現代向けのグラフィックと新たな要素が追加されました。ファンの間では今なお語り継がれる名作RPGシリーズです。
シリーズの魅力
壮大で感動的なストーリー

『エストポリス伝記』シリーズの最大の特徴の一つが、壮大なストーリーです。特に『エストポリス伝記II』はシリーズの中でも高い評価を受けており、時を超えて受け継がれる運命や、キャラクターたちの成長、仲間との絆が緻密に描かれています。
物語は、かつて英雄マキシムが戦った四狂神の復活を阻止するために、彼の子孫である主人公が旅に出るというもの。シンプルながらも奥深いストーリーは、多くのプレイヤーの心を打ちました。特に、主人公とルフィアの関係性や、最後に待ち受ける衝撃的な展開は、多くのプレイヤーにとって忘れられないものとなっています。
独自の戦闘システムとダンジョン攻略

本シリーズは、従来のターン制RPGと一線を画す独自のシステムを多数取り入れています。例えば、『エストポリス伝記II』では、戦闘中にキャラクターが持つ装備やスキルを駆使することで、戦略性の高いバトルを楽しめます。
また、ダンジョン攻略においてもユニークなシステムが導入されています。特に「古の洞窟」は、ランダム生成されるダンジョンであり、毎回異なる構造がプレイヤーに挑戦を与えます。このようなやりこみ要素が、シリーズの魅力をさらに高めています。
魅力的なキャラクターたち

『エストポリス伝記』シリーズには、多くの個性豊かなキャラクターが登場します。特に、主人公とルフィアの関係は物語の大きな軸となっており、プレイヤーの感情を揺さぶるものとなっています。
また、仲間キャラクターたちもそれぞれの背景や個性を持ち、物語をより深みのあるものにしています。アグロスの頼れる戦士としての姿、ジュリナのハーフエルフならではの葛藤など、それぞれのキャラクターに感情移入しながら進められるのが本シリーズの大きな魅力の一つです。
心に残る音楽

ゲームの世界観を彩る要素として欠かせないのが音楽です。『エストポリス伝記』シリーズでは、塩生康範氏が作曲を担当し、感動的なBGMが多くのプレイヤーの記憶に残っています。
特に、フィールド曲やバトルテーマは印象的であり、プレイしていない時でも思わず口ずさんでしまうほどの名曲が揃っています。オリジナルサウンドトラックも発売されており、ゲームの雰囲気を音楽でも堪能できる点は、ファンにとって非常に魅力的なポイントです。
発売されなかった幻の三部作の完結編

『エストポリス伝記』シリーズは当初三部作として計画されていましたが、残念ながら最終作の『エストポリス伝記III ルーインチェイサーズ』は、当時版権を所有していて販売会社であった日本フレックスが倒産したため、開発中止となりました。そのため、物語は完全に完結していません。しかしながら、ファンの間では続編への期待が今もなお高まっています。
2010年にはニンテンドーDSで『エストポリス』がリメイク作品として発売されましたが、これが正当な続編ではなかったため、シリーズの未来に対する希望は尽きることがありません。近年のレトロゲーム復活の流れもあり、新作が登場する可能性はゼロではありません。
シリーズの一覧
エストポリス伝記


1993年にスーパーファミコン向けに発売された『エストポリス伝記』は、シリーズの第一作として登場しました。本作では、かつて虚空島戦役で四狂神を討ち倒した英雄マキシムの子孫である主人公が、再び復活しようとする四狂神を阻止するために旅立つ物語が描かれます。
プレイヤーは、記憶喪失の少女ルフィアとともに旅をしながら、四狂神の復活を阻止するために戦います。戦闘はターン制コマンドバトルを採用し、戦略的な戦いが求められました。さらに、ダンジョン内でのギミックを解きながら進むシステムも特徴的で、単なる戦闘だけでなく謎解きの要素も楽しめる作品でした。
音楽も本作の魅力の一つであり、塩生康範氏が手掛けた壮大なBGMが物語の雰囲気を一層引き立てています。
エストポリス伝記II


1995年に発売された『エストポリス伝記II』は、シリーズの中でも特に評価の高い作品です。本作は『エストポリス伝記』の前日譚として位置づけられており、英雄マキシムの物語が描かれます。
プレイヤーは、平凡な剣士だったマキシムが、運命に導かれながら強大な敵と戦い、仲間たちと共に成長していく過程を体験できます。本作は前作よりも戦闘やダンジョンのギミックが進化し、武器や魔法を駆使した奥深いバトルが楽しめるようになりました。また、「古の洞窟」と呼ばれるランダム生成のダンジョンが追加され、やり込み要素も充実しています。
ストーリーの完成度も非常に高く、感動的な結末が多くのプレイヤーの心を打ちました。そのため、本作はシリーズの中でも特に名作として語り継がれています。
エストポリス伝記 よみがえる伝説


2001年にゲームボーイカラー向けに発売された『エストポリス伝記 よみがえる伝説』は、100年後の世界を舞台にした続編です。物語の中心となるのは、主人公ヴェインとヒロインのシーナ。彼らが新たな脅威に立ち向かいながら、世界を救う旅に出るというストーリーが展開されます。
本作は、シリーズの特徴であるダンジョンギミックやターン制バトルを継承しつつ、ゲームボーイカラー向けに最適化されたシステムを採用しています。さらに、キャラクターごとに異なるスキルを活かした戦略的な戦闘が楽しめるのも魅力でした。
欧米では『Lufia: The Legend Returns』として発売され、日本版よりも先行してリリースされたことでも知られています。
沈黙の遺跡 エストポリス外伝


2002年には、ゲームボーイアドバンス向けに『沈黙の遺跡 エストポリス外伝』が発売されました。本作は、シリーズ本編とは異なり外伝的な位置づけの作品であり、開発もネバーランドカンパニーではなくアトリエドゥーブルが担当しました。
本作では、探索型のゲームプレイが特徴となっており、パズル要素が強調された内容となっています。ストーリーは独立しているものの、シリーズの世界観を受け継いでおり、ファンにとっては興味深い作品でした。
エストポリス(ニンテンドーDS版)


2010年にスクウェア・エニックスから発売された『エストポリス』は、シリーズの名作『エストポリス伝記II』をリメイクした作品です。ただし、本作は完全なリメイクではなく、3Dポリゴンを用いたアクションRPGとして再構築されています。
ストーリーの骨格は『エストポリス伝記II』と同じですが、戦闘システムが大きく変更され、リアルタイムで戦うアクション要素が追加されました。この変更により、従来のファンからは賛否が分かれる結果となりましたが、新たなアプローチとして評価する声もありました。
携帯版『エストポリス伝記』シリーズ

携帯電話向けには、以下の3作品が配信されました。いずれも『エストポリス伝記II』のダンジョン「古の洞窟(いにしえのどうくつ)」を独立したゲームとしてアレンジしたものです。
- 『エストポリス伝記 古の洞窟』(2003年9月1日配信)
- 『エストポリス伝記Light』(2003年10月15日配信)
- 『エストポリス伝記DX 古の洞窟』(2004年7月8日配信)
『Light』は軽量版として、グラフィックやBGM、収録アイテムの量が抑えられているのに対し、『DX』は豪華版としてボリュームアップした内容になっています。携帯電話の環境に合わせつつも、「古の洞窟」の探索要素を楽しめる作品として展開されました。
まとめ

『エストポリス伝記』シリーズは、タイトーのRPGとして多くのファンに愛され、名作として語り継がれています。特に『エストポリス伝記II』は、その完成度の高さからシリーズの最高傑作と称されることが多く、今なお根強い人気を誇っています。
現在では、シリーズの新作が登場する可能性は低いものの、過去作のリメイクや移植を望む声は絶えません。もし未プレイの方がいれば、ぜひ過去作をプレイして、その魅力を体験してみてください。
エストポリス伝記シリーズの一覧
