1994年12月2日、日本のイマジニアが贈る「プリティ・ファイターシリーズ」は、スーパーファミコン用2D対戦型格闘ゲームとして初登場しました。その名も『制服伝説 プリティ・ファイター』。独特のコスプレ風の衣装に身を包んだ美少女たちが、風貌に応じた必殺技を駆使し、勝ち抜きを目指すという斬新なコンセプトで、ゲーム業界に新たな風を巻き起こしました。
ゲームの概要
「制服伝説 プリティ・ファイター」は、女子高生やディスコクイーン、くノ一など様々なコスプレ衣装をまとった美女たちが登場し、プレイヤーはその中から1人のキャラクターを選び、全キャラクターに勝ち抜いてエンディングを迎えることを目指します。開発は元気が担当し、制作陣には『ポピュラスII TRIALS OF THE OLYMPIAN GODS』などの実績があるクリエイターたちが名を連ねました。
登場人物
青木真琳
青森出身の高校生。ポケベルでパンツ1枚のマッチョ男性を召喚する独自の必殺技を持つ。
赤坂樹里
東京出身の証券会社OL。ディスコ好きで、赤いボディコン服が特徴。
緑川みなみ
大阪出身の高校生。阪神タイガースのファンで、素肌に緑色のブレザーを纏っている。
白鳥クリス
北海道(札幌)出身の看護婦。
黄織涼子
京都出身の大学生。黄色い着物が印象的。
紺野警子
愛知(名古屋)出身の婦人警官。21歳で身長170㎝、体重53㎏というスタイルの良さも兼ね備えている。
桃山愛
広島出身の中学生。桃色の丸首シャツに青いブルマの体操服が特徴。
山吹柔
福岡出身の高校生。山吹色の柔道着の上着のみを身につけている。
評価と批評
ゲーム誌『ファミコン通信』では、総合得点16点(40点満点)を獲得し、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票では19.8点(30点満点)を獲得しました。一方で、『悪趣味ゲーム紀行』のライターがっぷ獅子丸は、他の同時期に発売されたゲームと比較しつつも、独自のキャラクター造形やステージの背景、必殺技の独自性を高く評価しましたが、一部の点で酷評もありました。
シリーズの一覧
制服伝説プリティ・ファイター
イマジニアより1994年12月2日にスーパーファミコン用ソフトとして発売された対戦格闘アクションゲーム。様々なコスチュームに身を包んだ8人の美少女たちが闘う。女子高生や婦警さん、ナース、柔道少女といった個性的な8人から操作キャラを選び、他の7人と戦っていく「ストーリーモード」に加えて、好きな組み合わせで戦える「対戦モード」を搭載。それぞれが持っている必殺技を駆使して勝利しよう。
制服伝説プリティ・ファイターX
1995年にはセガサターン用のリメイク版『制服伝説 プリティ・ファイターX』が登場。CD-ROMハードの特性を生かし、各キャラクターのプロローグやエピローグがアニメーションムービーとして加えられました。新たに4人のキャラクターが追加され、総勢12人の美少女たちがバトルに臨みます。
エンディングクレジットの最後で表示される隠しコマンドを入力することで、ラストボスであるマリア・クリステルをストーリーモードで使用可能にするという独自の要素も取り入れられました。
フィスト
1996年にはさらなる進化を遂げ、3D対戦型格闘ゲームとして新たな続編『FIST』が登場。PlayStationおよびセガサターン向けに発売されました。この作品ではシンプルな操作性が評価されつつも、ポリゴンの質について一部の批判がありました。ライター松田は特にセガサターン版において、追撃や空中コンボの要素が加えられ、セガがサードパーティーへライブラリを提供していたことがPlayStation版との差を生んでいたと指摘しています。
セガサターン版
プレイステーション版
まとめ
「制服伝説 プリティ・ファイターシリーズ」は、その独自性と進化を通じて、格闘ゲームファンに多大な影響を与えました。初代の斬新なコンセプトから始まり、セガサターン版のリメイク、そして3D対戦格闘ゲームへの挑戦まで、シリーズは時代とともに進化し続けました。続編の「フィスト」では3Dモデルのクオリティから厳しい評価を得ましたが、美少女たちが織りなす激しいバトルと、独自のキャラクターたちの魅力が結びついた「プリティ・ファイターシリーズ」は、長い年月を経てもなお、その輝きを保ち続けています。