1993年、アメリカのブローダーバンドが生み出した『MYST』(ミスト)は、ゲーム業界に革新をもたらした3Dアドベンチャーゲームです。その独自性と美麗なグラフィックは、プレイヤーをMYST島と呼ばれる幻想的な世界へ引き込み、難解な謎解きに挑ませました。ここでは、『MYSTシリーズ』の初代から最新作まで、その歴史と魅力に迫ります。
ゲームシリーズの説明
MYSTの誕生
『MYST』は1993年に登場し、Classic Mac OSおよびWindows 3.xでプレイ可能な作品でした。静止画や動画によるCGプリレンダリング、独自の雰囲気、そして難解な謎解きが特徴で、開発はアメリカのCyanが行いました。携帯型ゲーム機から家庭用ゲーム機まで、様々なプラットフォームに移植され、世界中で大ヒットを記録しました。
ゲーム内容
シリーズ初代はシンプルながら独特の操作方法で知られています。マウスとクリックだけで進行し、プレイヤーはMYST島を冒険しながら謎を解き明かすことが求められます。このゲームでは、紙のメモや豊かな想像力が必要で、プリレンダリングされた美麗な3D画像が当時のPC性能を超えた美しい三次元空間を提供しました。アメリカ以外でも、1994年には日本語版が発売され、その新しいゲームの形態が世界中で称賛されました。
ストーリー
MYST島への招待
物語は、プレイヤーが「MYST」と書かれた本を手に入れるところから始まります。その本を開くと、島の地図が現れ、視点が動き出します。主人公はMYST島に迷い込んでしまい、島の探索を開始します。物語はさまざまな本やページを通じて展開し、アトラスという作家によって作られた「MYST」の本が物語の鍵を握っていきます。
赤と青の本
島の図書館で赤と青の本を見つけた主人公は、それらの本を開くと男たちの顔が浮かび上がります。シーラスとアクナーと名乗る彼らは、主人公に赤と青のページを島中に散らばる本に戻すよう要求します。これによって、囚われた彼らが解放されると言います。物語は、主人公がMYST島に隠された4つの異なる時代を冒険し、失われたページを見つける旅へと進展していきます。
アトラスとの邂逅
物語はアトラスという作家の息子たちが赤と青の本に囚われ、アトラス自身が「緑の本」に幽閉されるという複雑な展開を見せます。主人公はアトラスとの出会いを通じて、強大な敵に立ち向かう使命を託されます。アトラスの指示に従い、物語はMYST島の謎と主人公の役割に焦点を当てます。
シリーズの一覧
ミスト
プレイステーション版
プレイステーション用ソフトとして発売された本格アドベンチャーゲーム。プレイヤーは、本の世界から元の世界に戻るため、様々な時代の謎を解いていく。ある日、貴方が偶然に見つけた「MYST」と書かれた一冊の古い本。その本を開くとそこには「MYST」と呼ばれる不思議な世界が広がっていた。キーワードを探して入力したり、地下迷路を抜けたり、ギミック満載の地を旅しよう。
セガサターン版
ミスト島を舞台としたアドベンチャーゲーム。プレイヤーは、本の中の世界「MYST島」に迷い込んだ旅人として、MYST島とそこに隠されたさらに4冊の本の中の世界を冒険し、この世界の謎を探索する。操作はマウスカーソルとクリックのみで行う。視界の上下左右の端をクリックすれば視点が変わり、入れる場所をクリックするとその場所に移動し、仕掛けのある場所をクリックすると仕掛けが動くといったシンプルな操作が特徴。
3DO版
3DO用ソフトとして発売された本格アドベンチャーゲーム。本の世界から元の世界に戻るため、様々な時代の謎を解いていく。ある日、貴方が偶然に見つけた「MYST」と書かれた一冊の古い本。その本を開くとそこには「MYST」と呼ばれる不思議な世界が広がっていた。キーワードを探して入力したり、地下迷路を抜けたり、ギミック満載の地を旅していく。
リヴン ザ・シークェル・トゥ・ミスト
プレイステーション版
プレイステーション用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲーム。『MYST』の続編で、美しい緑と海に囲まれたミスト島を舞台に様々な謎を解き明かすのが目的となる。前作よりもイベントシーンをふんだんに取り入れ、よりドラマチックなストーリーが展開する。匂いや風まで伝わるような美しいグラフィックとサウンドによって描かれた未知なる世界「リヴン」を探索し、謎を追求しよう。
セガサターン版
セガサターン用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲーム。美しいグラフィックと歯ごたえのある謎解きで高評価を得た『MYST』の続編となる。基本操作は前作と同じで、クリックのみですべての操作を行い、進めていく。主な舞台は崩壊の危機にある異世界・リヴン。プレイヤーは5つに分かれた島々を行き来しながら、謎を解いていくことになる。
ミスト3 エグザイル
Xbox版
Xbox用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲーム。1994年にパソコン版の第1作目が登場して以来、世界中で大ヒット中のアドベンチャーゲームシリーズ3作目。シリーズ名物の手ごたえある謎解きや美しいCG演出を、さらにパワーアップさせた。今作は、幻想的な5つの世界に迷い込んだ主人公が、謎の敵の正体を追っていくというもの。パズルのようなさまざまな謎を解き進んでいく。
プレイステーション2版
プレイステーション2用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲーム。『MYST』シリーズ第3弾。臨場感あふれる美しいグラフィックと実写のようなエフェクトを実現。途切れることなく360度を見わたせる「フリールック・ムーブメントシステム」の搭載で、よりスムーズな探索が可能。5つの時代を冒険して、その時代に秘められた様々な謎と大きな陰謀を解き明かしていく。
ミスト4 リベレーション
シリーズ第4作目は、パソコン向けには既に日本で発売されているものの、家庭用ゲーム機向けには未だ登場していません。「ミスト3 エグザイル」の10年後を舞台とした、ミストシリーズの第4作で、前作のみならず、第一作のキャラクターも再登場するので、シリーズのファンは懐かしさにも浸れる作品となっています。
ミスト5 エンド・オブ・エイジス
シリーズ5作目で完結編となり、2005年に日本でソコン向けに発売されました。従来のプリレンダリングCG表示から1人称視点のリアルタイムレンダリングに切り替わり、新しい要素が加わりました。プレイヤーは自由に歩き回りながら、MYST島の最終章を迎えることになります。
リアルミスト
2001年にパソコン用として発売されたこの作品は、シリーズ初代と同じストーリーを持ちながら、新たな「ライム時代」が追加されています。リアルタイムレンダリングによる3DCGと自由な移動が特徴で、プレイヤーに新たな視覚的な魅力を提供しています。
ミスト ウル: エイジス・ビヨンド・ミスト
シリーズ外伝と位置づけられる本作は、MMORPGとして企画されましたが、最終的にはシングルプレイ用として発売されました。3人称視点となるなど異なるアプローチがされていますが、シリーズの伝統的な要素を継承しています。2010年2月『ミストオンライン:ウル・ライブ・アゲイン』が公開され、クライアントを無料でダウンロードでき、課金もされない完全無料のネットワークゲームとなっています。
まとめ
『MYSTシリーズ』は、その独自性と難解な謎解きがゲーム業界に新たな風を吹き込みました。歴史的な成功とともに、シリーズは進化を遂げ、プレイヤーを新しい冒険に誘い続けています。古くからのファンにとっては懐かしさと新しさが共存する世界。まだプレイしていない方も『MYST』の不思議な魅力を体験してみてはいかがでしょうか。