「時空探偵DD」は、アスキーからPlayStation、セガサターン、Windows 95向けに発売されたサスペンスアドベンチャーゲームシリーズです。1998年には、続編として『時空探偵DD2 叛逆のアプサラル』が発売されました。このページでは1996年に発売された第一作目「時空探偵DD 幻のローレライ」を中心にシリーズについて解説します。
時空探偵とは
時空探偵とは、23世紀で利用されているタイムマシンに関連する犯罪を専門に扱う私立探偵を指します。このシリーズは、特殊能力を持つ多くの人間が共存する世界を舞台にし、アドルフ・ヒトラー独裁下のドイツで展開されます。時空というタイトル通り、タイムトラベルをテーマにしており、プレイヤーは「タイムライド」と呼ばれるタイムマシンに乗り込んで過去と未来を探索します。
ストーリー
2238年の夏、鳴神時空探偵社の主人公である鳴神は、新聞を広げていると、父親であるクルト・ラヴァルの失踪を依頼される。クルトの娘であるレニが手紙とオルゴールを持ち込み、その中に隠されたカードとデータディスクから事件の謎が明らかになる。鳴神と彼の助手である霧姫は、1939年の北極に向かうためにタイムライドに乗り込む。これが物語の幕開けであり、時空を超えた冒険が始まる。
登場人物
鳴神・雷蔵
物語の主人公。20歳中頃の日本出身で、新御徒町に鳴神時空探偵社を構える私立探偵。吸血鬼の能力を持つ特殊遺伝子保持者で、血を吸うことで特殊能力を発揮することができます。原作者である園田英樹がモデルとなっています。
霧姫・アイスマン
鳴神の助手で、15歳の女子高生。天才的なタイムライド・システムオペレータです。
レニ・ラヴァル
17歳のスイス出身者。父親であるクルトの失踪を追うため、鳴神探偵事務所を訪れます。瞬間移動能力を持っています。
クルト・ラヴァル
ドイツ出身の巨大飛行船「ローレライ号」の設計者で、レニの父親。物語の中心的な人物で、失踪事件の鍵を握っています。
他の登場人物
リヒャルト・シュトラッサー、カーリン・シュトラッサー、マリア・ヘルシング、エルヴィン・グルンツ、マッツォ・ベラスコーニ、エルハルト・ヤンウェ、滅砂・シュミット、三郎・北家・ウルフなど、多彩なキャラクターが物語を彩っています。
評価
当時のゲームプレイヤーや批評家たちからの支持を受けており、特にプレイステーション版は『ファミコン通信』の「クロスレビュー」で、合計27点(満40点)を獲得しています。これは本作が独自のストーリーと魅力的なキャラクター、そして斬新なゲームプレイ体験を提供していたことを示しています。シリーズはファンタジーとサスペンスの融合を成功させ、ゲーマーたちに長きにわたり愛され続けています。
シリーズの一覧
時空探偵DD 幻のローレライ
プレイステーション版
プレイステーション用ソフトとして発売された3Dアドベンチャーゲーム。時空犯罪を専門に扱う時空探偵DDこと鳴神雷蔵の活躍を描いたゲーム作品となる。少女レニ・ラヴァルの依頼を受け、主人公・雷蔵は失踪した父を捜すため過去へ旅立ちます。迫力のBGMと効果音、美しいグラフィックで映画的な世界観を見事に再現。空間の記憶を見ることができる特殊能力で、事件の謎を解き明かそう。
セガサターン版
アドルフ・ヒトラーが独裁者として君臨する時代、第二次世界大戦開戦前夜のドイツを舞台に繰り広げられるサスペンスアドベンチャーゲーム。タイトルにある「時空探偵」とは、23世紀の世界で利用されているタイムマシンに絡んだ犯罪を専門に扱う私立探偵の事で、「DD」とはドラキュラ ディテクティブ(ドラキュラ探偵)の略。原作者は園田英樹。過去と未来の人間が絡み合い、思感が錯綜するストーリーを持っている。
時空探偵DD2 叛逆のアプサラル
プレイステーション用ソフトとして発売されたアドベンチャーゲーム。時空探偵DDである主人公・鳴神雷蔵が難事件に立ち向かう人気推理アドベンチャー第2弾。向島ミフユとその友人である霧姫アイスマンから、生き別れの双子の妹を捜してほしいと依頼を受け、タイムマシンに乗って紀元前の中国へと旅立ちます。空間の記憶を見ることができるという特殊能力も活用し、事件の謎を解き明かそう。
まとめ
このゲームシリーズでは、タイムトラベルとサスペンスが織り交ぜられ冒険を楽しむことができます。プレイヤーは、瞬間移動や吸血鬼の力など、個々の特異な能力を駆使して時空の謎に挑戦でき、美しいグラフィックと引き込まれるストーリーが、プレイヤーを時空の中に連れ去ります。ファンタジーとサスペンスが絶妙に融合した、このゲームシリーズをぜひ体験してみてください。