『北へ。』シリーズは、北海道を舞台にしたノベルアドベンチャーゲームシリーズです。開発はレッド・エンタテインメント、販売はハドソンが担当しています。このシリーズは、独特のトラベルコミュニケーション要素を持ち、北海道の美しい風景と魅力的なキャラクターたちとの出会いを通じて、プレイヤーに感動的な物語を提供してくれます。
北海道を舞台としたリアルなロケーション
『北へ。』シリーズは、北海道の実際の観光地や店舗を舞台にしています。札幌、小樽、美瑛などの有名な観光地を訪れながら、実在するお店やレストランでの出来事がストーリーに織り込まれており、リアルな旅行体験を楽しむことができます。特に、観光地の風景や名所が丁寧に描かれており、北海道の魅力を存分に感じられるのが大きな特徴です。
MOVE ON北海道キャンペーンとの連携
初代『北へ。White Illumination』は、北海道活性化キャンペーン「MOVE ON北海道=北からの声かけ運動」に協賛しており、地域活性化に一役買っていました。これにより、実在する店舗や観光地がゲーム内に登場し、現地の魅力を広める役割も果たしています。
トラベルコミュニケーションゲーム
独自のゲームジャンル
『北へ。』シリーズは、「トラベルコミュニケーションゲーム」というジャンルを掲げています。プレイヤーは北海道を旅する主人公として、各地で出会うキャラクターと交流を深めます。旅行とコミュニケーションをテーマにしたこのゲームは、他のアドベンチャーゲームとは一線を画しています。
コミュニケーション・ブレイク・システム(C.B.S.)
シリーズでは、特定のタイミングでプレイヤーがボタンを押してキャラクターにアクションを起こすことができる「コミュニケーション・ブレイク・システム(C.B.S.)」が採用されています。このシステムにより、プレイヤーは対話の流れをコントロールし、キャラクターとの関係を深めることができます。C.B.S.は、ゲームの没入感を高める重要な要素です。
季節ごとのストーリーテリング
夏編と冬編の二部構成
『北へ。』シリーズでは、夏編と冬編という二部構成でストーリーが展開されます。夏編でヒロインと仲良くなり、冬編でその関係をさらに深め、告白に至るという流れです。この季節ごとのストーリーテリングは、北海道の四季の美しさを効果的に描き出し、物語に深みを与えています。
四季の風景とイベント
ゲーム内では、夏のラベンダー畑や冬の雪景色など、北海道の四季折々の風景が描かれています。また、季節ごとに異なるイベントや行事があり、プレイヤーはその時々の北海道を楽しむことができます。これにより、ゲーム全体に季節感が生まれ、リアルな旅の雰囲気が増しています。
魅力的なキャラクター
個性豊かなヒロインたち
『北へ。』シリーズには、個性豊かなヒロインたちが登場します。各キャラクターには詳細なプロフィールや背景設定があり、プレイヤーは彼女たちとの交流を通じて、彼女たちの内面や成長を見ることができます。
キャラクターデザインと音楽
キャラクターデザインはNOCCHIが担当し、各キャラクターの個性を際立たせています。また、音楽は池毅が手掛けており、彼の作曲する楽曲はゲームの雰囲気を一層引き立てています。池毅は『魔訶不思議アドベンチャー!』(『ドラゴンボール』主題歌)や桃太郎シリーズの楽曲でも知られており、『北へ。』シリーズのサウンドトラックは高い評価を受けています。
メインキャラクター紹介
春野 琴梨(はるの ことり)
春野琴梨は、札幌在住の高校1年生で、主人公の親戚です。彼女は料理が得意で家庭的な性格です。主人公を「お兄ちゃん」と呼び、10年ぶりの再会を喜びます。
ターニャ・リピンスキー
ターニャはロシア人のガラス職人で、小樽のガラス工房に勤めています。心臓に持病を持っていますが、強い意志を持った少女です。
椎名 薫(しいな かおる)
薫は札幌市内の北海大学付属病院に勤務する研修医です。冷静で落ち着いた性格で、休日にはドライブを楽しみます。
桜町 由子(さくらまち ゆうこ)
由子は航空自衛官で、千歳にある航空自衛隊に勤務しています。バイクとカメラが趣味で、豪快な性格です。
愛田 めぐみ(あいだ めぐみ)
めぐみは美瑛に住む中学3年生で、両親が経営する牧場の一人娘です。春野琴梨とはいとこ同士で、小学校までは東京に住んでいました。
川原 鮎(かわはら あゆ)
鮎は琴梨の親友で、大里高校に通う高校1年生です。テニス部に所属し、歌手になる夢を持っています。
左京 葉野香(さきょう はやか)
葉野香は札幌市内の猪狩高校に通う高校2年生です。ストレートの黒髪ロングヘアが特徴で、内面は素直で純粋な性格です。
里中 梢(さとなか こずえ)
梢は大里高校の2年生で、テニス部の幽霊部員です。アニメや特撮が好きで、ゲームやパソコンにも熱中しています。
ミニゲームと多様なシステム
多彩なミニゲーム
『北へ。』シリーズには、UFOキャッチャーやテニスゲームなどのミニゲームが含まれています。これらのミニゲームは、単なるおまけではなく、物語の進行やキャラクターの親密度に影響を与える重要な要素です。プレイヤーはミニゲームを通じて、キャラクターとの関係を深めることができます。
選択肢による分岐
ゲーム中の選択肢によってストーリーが分岐し、異なるエンディングにたどり着くことができます。プレイヤーの選択が物語に大きな影響を与えるため、リプレイ性が高く、何度も楽しめる作りになっています。
ゲームシリーズの一覧
北へ。White Illumination
1999年3月18日にドリームキャスト用ソフトとして発売された『北へ。White Illumination』は、シリーズの第1作目です。高校2年生の主人公が夏休みを利用して北海道を訪れ、親戚の春野琴梨の案内で北海道の観光地を巡りながら、8人の女の子たちと出会います。
この作品は、北海道活性化キャンペーン「MOVE ON北海道=北からの声かけ運動」に協賛しており、実在するお店やレストランが登場するのが特徴です。また、ヒロインたちとの交流を深めるための独自のシステム「コミュニケーション・ブレイク・システム(C.B.S.)」が採用されています。
『北へ。White Illumination』は、夏編と冬編に分かれています。夏編でヒロインと仲良くなり、冬編で告白に至るという流れです。ゲームの進行は選択肢によって各ヒロインのシナリオに分岐します。ミニゲームとしてUFOキャッチャーやテニスゲームなどがあり、プレイヤーはこれらを通じてヒロインとの関係を深めます。
北へ。Photo Memories
1999年8月5日にドリームキャスト用ソフトとして発売された『北へ。Photo Memories』は、『White Illumination』の続編です。この作品はイラスト集と前作から半年後を描いたミニアドベンチャーゲームを収録しています。
北へ。Diamond Dust
2003年10月30日にPlayStation 2で発売された『北へ。Diamond Dust』は、シリーズの第2作目です。大学生の主人公が夏休みを利用して北海道各地を訪れ、友人たちの元を巡るストーリーです。『White Illumination』とは異なり、今回は各ヒロインと一対一でストーリーが進行します。
『〜Diamond Dust〜』では、夏編と冬編の構成が引き続き採用されています。夏編で意中のヒロインと仲良くなり、冬編で結ばれるという流れです。北海道内を車で巡り、観光地や飲食店を訪れる形で進行しますが、時間と金銭の概念があり、予算を使い果たすとゲームオーバーになります。
北へ。Diamond Dust + Kiss is Beginning.
2004年10月28日にPlayStation 2で発売された『北へ。Diamond Dust + Kiss is Beginning.』は、『Diamond Dust』の続編です。シナリオはエンディングとエピローグの間を描き、ヒロインとの再会とその後を描く内容になっています。
まとめ
『北へ。』シリーズは、北海道を舞台にしたリアルなロケーション、トラベルコミュニケーションゲームという独自のジャンル、季節ごとのストーリーテリング、魅力的なキャラクター、そして多彩なミニゲームや選択肢による分岐など、多くの特徴を持つゲームシリーズです。プレイヤーは、美しい風景や感動的な物語を楽しみながら、キャラクターとの絆を深める旅を体験することができます。北海道の魅力を存分に味わえるこのシリーズは、今後も多くのファンに愛され続けることでしょう。