本記事では、日本が誇るアーケードゲームの金字塔、「水滸演武」シリーズについて、その魅力や歴史、ゲーム内容から登場キャラクター、そして移植版の特徴や評価に至るまで、詳しく解説していきます。中国の古典小説『水滸伝』をベースにしたこのゲームは、格闘ゲームファンのみならず、多くのゲーマーを魅了し続けています。
- 概要
- ゲーム内容
- 登場キャラクター
- 九紋龍 史進(くもんりゅう ししん)
- 豹子頭 林冲(ひょうしとう りんちゅう)
- 一丈青 扈三娘(いちじょうせい こさんじょう)
- 神行太保 戴宗(しんこうたいほう たいそう)
- 黒旋風 李逵(こくせんぷう りき)
- 花和尚 魯智深(かおしょう ろちしん)
- 入雲龍 公孫勝(にゅううんりゅう こうそんしょう)
- 行者 武松(ぎょうじゃ ぶしょう)
- 立地太歳 阮小二(りっちたいさい げんしょうじ)
- 短命二郎 阮小五(たんめいじろう げんしょうご)
- 活閻羅 阮小七(かつえんら げんしょうしち)
- 托塔天王 晁蓋(たくとうてんのう ちょうがい)
- 双鞭 呼延灼(そうべん こえんしゃく)
- 溝口 誠(みぞぐち まこと) & 柳 英美(リュウ ヨンミー)
- シリーズの一覧
- 評価
- まとめ
概要
『水滸演武』は、1995年にデータイーストからリリースされた2D対戦型格闘ゲームで、アーケード版の稼働を皮切りに、セガサターンやPlayStationへと移植されました。日本国外では『Outlaws of the Lost Dynasty』として知られ、梁山泊を背景にした武闘大会を描いています。このゲームは、『水滸伝』の登場人物たちが各自の得意とする武器を駆使して戦うという内容で、武器に関連する独自のゲームシステムを特徴としています。
ゲーム内容
『水滸演武』は、プレイヤーが武器を使って戦う「武器格闘ゲーム」として位置づけられています。ゲーム内では、武器の破損や素手での戦闘など、戦略的な要素が盛り込まれており、直接的な残虐描写は控えめにされています。このシステムは、プレイヤーに戦闘中の様々な状況への対応を求め、戦術の幅を広げています。
登場キャラクター
シリーズを通じて、『水滸伝』の英雄たちが多彩なキャラクターとして登場します。各キャラクターは独自の背景や武器、技術を持ち、プレイヤーはこれらのキャラクターを操作して対戦を楽しむことができます。また、家庭用ゲーム機への移植版では、新たなキャラクターやゲストキャラクターが追加され、ゲームの魅力がさらに拡がっています。
九紋龍 史進(くもんりゅう ししん)
背中に9つの鱗のある龍の刺青が印象的な青年。武芸十八般に精通しており、その技術の高さは群を抜いています。剣を使った戦いを得意とし、その剣技は華麗で正確です。
豹子頭 林冲(ひょうしとう りんちゅう)
かつての禁軍の棒術師範であり、その過去から重い背負い物を持つ。強靭な肉体と高い武道の技術を持ち合わせています。蛇矛を操り、その重さと長さを生かした戦術で相手を圧倒します。
一丈青 扈三娘(いちじょうせい こさんじょう)
鋭い太刀筋を誇る女剣士。過去の経験から、情けない男には哀れみの情を抱く傾向があります。2本の朴刀を用いて戦い、その扱いには卓越した技術を見せます。
神行太保 戴宗(しんこうたいほう たいそう)
「神行法」という超高速移動を使いこなすことができ、気ままで飄々とした性格。しかし、仲間に対しては非常に思いやりのある一面を持ちます。2本の筆架叉を使い、その速さを活かした戦い方を得意とします。
黒旋風 李逵(こくせんぷう りき)
色黒の大男で、無茶、無理、無鉄砲な性格が特徴。その体格と力は圧倒的です。2挺の片手斧を扱い、その力強さで敵を打ち倒します。
花和尚 魯智深(かおしょう ろちしん)
酒と暴れることを好む乱暴者。しかし、その中にも多彩な奥義を持つ実力者です。大型の禅杖を使い、その重さで強力な一撃を放ちます。
入雲龍 公孫勝(にゅううんりゅう こうそんしょう)
道教の修業者であり、道術を操る能力を持つ。その高い能力の反面、好色家でドジな面も。幻術により呼び出した神霊「哪吒」を従え、戦います。
行者 武松(ぎょうじゃ ぶしょう)
素手で虎を撲殺するほどの力を持つ豪傑。裏表のない性格で、媚びることを好まない。2挺の拐を使用し、その力と技術で敵を倒します。
立地太歳 阮小二(りっちたいさい げんしょうじ)
阮三兄弟の長兄。礼儀正しく、心理戦を得意とする賢い戦士です。変幻自在の水を操り、それを使った戦術で戦います。
短命二郎 阮小五(たんめいじろう げんしょうご)
自分本位な性格で、同性愛者の気質があるとされる阮三兄弟の次兄。双節棍を使用し、魚などを飛び道具として用いる技を持ちます。
活閻羅 阮小七(かつえんら げんしょうしち)
阮三兄弟の末弟で、ナルシスト気味の美青年。その外見とは裏腹に、戦いにおいては冷静かつ緻密な計画を立てます。双節棍を駆使し、その機敏さを活かした戦い方で相手を翻弄します。
托塔天王 晁蓋(たくとうてんのう ちょうがい)
本作の最終ボスにして、梁山泊の2代目頭領。一度は戦死したが、ある理由から蘇り、最強の好漢としてプレイヤーの前に立ちはだかります。
双鞭 呼延灼(そうべん こえんしゃく)
特定条件を満たすと登場するCPU専用キャラクター。アーケード版ではスタッフロールでのみ姿を見せていました。
溝口 誠(みぞぐち まこと) & 柳 英美(リュウ ヨンミー)
『ファイターズヒストリー』シリーズからのゲストキャラクター。時代背景を超えた参戦で、ゲームの世界観に新たな風を吹き込んでいます。
シリーズの一覧
水滸演武
セガサターン版とPlayStation版では、オリジナルのアーケード版から様々な追加要素が盛り込まれています。特に、バランス調整や追加モード、ボイスの充実など、家庭でのプレイに最適化された内容となっており、ファンからの評価も高いです。さらに、PlayStation版はゲームアーカイブスでの配信も行われ、より多くのプレイヤーにその魅力が伝えられました。
セガサターン版
プレイステーション版
水滸演武 風雲再起
『水滸演武』の続編である『水滸演武 風雲再起』は、さらにゲームバランスが調整され、新キャラクターも登場します。しかし、一部のキャラクターが削除されたり、共通のエンディングのみが用意されているなど、変更点もあります。この続編は、シリーズのファンに新たな楽しみを提供しています。
評価
『水滸演武』シリーズは、ゲーム誌のレビューにおいても一定の評価を受けています。セガサターン版とPlayStation版は、それぞれが独自の魅力を持ち、ゲーム通信簿ではやや高めの評価を獲得しています。これらの評価は、ゲームのクオリティと独創性を示しています。
まとめ
『水滸演武』シリーズは、中国の古典『水滸伝』を題材にしたユニークな格闘ゲームです。アーケードから家庭用ゲーム機への移植を経て、多くの追加要素や改良が施され、幅広いファン層に支持されています。各キャラクターの個性や武器を駆使した戦いは、プレイヤーに深い戦略性と楽しさを提供し、今なお多くのゲームファンに愛され続けています。