ゲーム界に刻まれた歴史の中で、フランスのゲーム会社Infogramesが生み出した『アローン・イン・ザ・ダーク』シリーズは、サバイバルホラーゲームの金字塔としてその名を刻んでいます。本記事では、シリーズの誕生から進化、そして続編までを段階的に探っていきます。
『アローン・イン・ザ・ダーク』の誕生
初の3Dアドベンチャーゲームの誕生
1992年にPC用ソフトとして誕生した『アローン・イン・ザ・ダーク』は、その時代において画期的な3Dソリッドモデルを駆使した作品でした。当時、3Dエンジンの普及が進んでいなかったアドベンチャーゲームにおいて、この作品は初の3Dとして注目を集めました。これは後に『バイオハザードシリーズ』などに影響を与え、3Dポリゴンアドベンチャーゲームの原点となりました。
クトゥルフ神話へのオマージュ
『アローン・イン・ザ・ダーク』の魅力は、謎解きとともに広がるクトゥルフ神話に基づいたストーリーや怪物の登場にあります。ナイトゴーント、ヨグ=ソトース、クトーニアンなど、神話の要素が巧みに取り入れられ、プレイヤーを恐怖に誘います。
日本での展開と特徴
日本では、様々なプラットフォームに移植され、PC版では添付されたミニブックやマニュアルプロテクトといった独自の要素が加えられました。これらの要素がプレイヤーに新たな体験を提供しました。
ゲームシステムの奥深さ
謎解きと手詰まりの緊張感
ゲームシステムにおいては、強敵や即死トラップ、行動の順番を誤ることによる手詰まりが起こりやすい状況が待ち受けています。これにより、プレイヤーは臨場感あふれる緊張感の中でゲームに没入することができます。
アイテムと運搬の制約
ゲーム内ではアイテムには「重さ」、主人公には「運搬重量の上限」が存在し、これらの要素がゲーム進行に影響を与えます。新しいアイテムを入手するためには手持ちのアイテムを手放す必要があり、戦略的なアイテム管理が求められます。
アクションの実行
プレイヤーは行動を選択した後、アクションキーを押下してその行動を実行します。この独自のシステムが、プレイヤーに臨場感をもたらし、ゲームプレイをより没入感豊かなものにしています。
不気味なストーリー
ジェレミー・ハートウッドの自殺事件
物語は1924年、芸術家のジェレミー・ハートウッドが自殺するところから始まります。しかし、その自殺には何か不可解なものが潜んでいることがプレイヤーには感じられます。私立探偵エドワード・カーンビーとジェレミーの姪エミリー・ハートウッドが、その真相を解き明かすべく屋敷へと足を踏み入れます。
謎めいた屋敷と狂気
屋敷には狂気と呪いが渦巻いており、プレイヤーは謎解きや恐怖といった要素が絡み合う中で物語を進めていきます。登場するキャラクターや怪物、そしてクトゥルフ神話に基づいた要素が、プレイヤーを引き込む重要な要素となっています。
シリーズの一覧
アローン・イン・ザ・ダーク
3DO用ソフトとして発売された3Dサバイバルホラーゲーム。恐怖の館デルセトの謎を解き、脱出を目指す。まるで映画のような迫力あふれるカメラアングル、3Dポリゴンを使用した立体的なグラフィックが不気味な館の雰囲気をリアルに演出。私立探偵カーンビーと亡くなった館の主ジェレミーの姪エミリーの2人から主人公を選び、デルセトの館を探索しよう。
アローン・イン・ザ・ダーク2
3DO版
3DO用ソフトとして発売されたアクションアドベンチャーゲーム。2人の主人公のうち、どちらを選ぶかによって異なる物語が展開する。細部まで描き込まれたリアルなグラフィックが恐怖の物語をより鮮やかに演出。主人公のエドワードとアリーンは、考古学者に盗まれたとされている3つの石板を捜すため、シャドー島へと向かう。そこで2人を待ち受けるものとは…?
セガサターン版
映画「アローン・イン・ザ・ダーク2」のゲーム化作品。3DO、プレイステーション、セガサターンで発売された。本作はセガサターン版となる。ジャンルは3Dアドベンチャーゲーム。映画プロデューサーの娘が誘拐され、私立探偵が犯人のアジトの屋敷を突き止めて忍び込んだが音信不通となった。探偵の手紙を受け取った主人公が救援に向かうところから物語が始まる。
プレイステーション版
プレイステーション用ソフトとして発売されたアクションアドベンチャーゲーム。2人の主人公のうち、どちらを選ぶかによって異なる物語が展開する。細部まで描き込まれたリアルなグラフィックが恐怖の物語をより鮮やかに演出。主人公のエドワードとアリーンは、考古学者に盗まれたとされている3つの石板を捜すため、シャドー島へと向かう。そこで2人を待ち受けるものとは?
アローン・イン・ザ・ダーク3
シリーズの完結編としてPC版で登場したこの作品は、西部劇の雰囲気が漂う内容となっています。前作までのクトゥルフ神話やブードゥー教から一線を画し、ネイティブ・アメリカンの精霊信仰が物語に組み込まれています。
アローン・イン・ザ・ダーク4 ザ・ニュー・ナイトメア
2001年に登場した作品は、Darkworksが開発し、新たな展開が試みられました。異なるプラットフォームでの発売や、日本国内での展開が一部変更されつつも、シリーズの新たな一面が見え隠れします。日本でPC版は『アローン・イン・ザ・ダーク 新たなる悪夢 日本語版』のタイトルで発売されています。
アローン・イン・ザ・ダーク
2008年にアタリから北米で、エレクトロニック・アーツから日本で発売されたこの作品は、シリーズを新たな方向へ導く試みとなりました。新要素が加わり、北米向けには『Alone in the Dark: Inferno』としてリリースされています。
アローン・イン・ザ・ダーク イルミネーション
シリーズの最終章となるこの作品は、2015年にアタリから発売され、サードパーソン・シューティングゲームとして新たな挑戦を試みました。オンラインと協力プレイに対応した作品として登場し、本作を持ってシリーズの歴史に幕を閉じました。
まとめ
『アローン・イン・ザ・ダーク』シリーズは、その進化と多様性を通じてサバイバルホラーゲームの歴史に深い足跡を残しました。クトゥルフ神話から始まり、異なるテーマやプラットフォームに挑戦し続けた本シリーズは、ゲーム業界において永遠の名作として輝き続けています。