「パンツァードラグーン」シリーズは、セガ製作のゲームシリーズで、その第一作のタイトルでもあります。直訳すると「装甲の竜騎兵」となり、古代文明の産み落とした生物兵器によって荒廃した世界で、最強かつ伝説的な存在とされる「ドラゴン」を操り、冒険に挑むシューティングゲームです。本シリーズは、古代文明、攻性生物、そしてパンツァー語といった独自の要素で知られ、その奥深いストーリーと独創的な設定がファンを引き込んでいます。
ゲームの概要
「パンツァードラグーン」は、古代文明の生み出した生物兵器である「攻性生物」によって滅ぼされつつある世界を舞台にしています。プレイヤーは最強の存在であるドラゴンを操作し、激しいシューティングアクションを体験します。ただし、シリーズには「アゼル パンツァードラグーン RPG」といったコンピュータRPGも存在し、幅広いゲーム体験を提供しています。
攻性生物とは?
古代文明で遺伝子改造技術によって生み出された攻性生物は、四肢のある動物から一見生物とは思えないものまで様々な外見を持っています。共通しているのは、強靭な外殻と特殊な性質を備えており、拡散レーザーや残骸などで様々な形態が存在します。しかし、古代文明の崩壊後、制御を失った攻性生物は野生化し、その姿や能力は変異しています。これらの変異種は普通の動物とあまり変わりなく、人類にとっては脅威となるものは少ないです。
一方で、変異を免れ純粋な能力を保つ攻性生物を「純血種」と呼びます。これらの純血種は白い外殻を持ち、非常に高い戦闘能力を誇ります。感情を持たず機械的な姿勢で活動する彼らは、古代の技術を受け継ぐ存在とされています。プレイヤーが操るドラゴンも純血種であり、他の純血種には見られない特異な特徴を備えています。
パンツァー語の謎
シリーズ独自の魅力の一翼を担うのが「パンツァー語」です。この架空言語は、アイヌ語やラテン語にも似た表記を持っており、公式な名称は存在しませんが、便宜上「パンツァー語」と呼ばれています。興味深いことに、シリーズの一部楽曲の歌詞もこの言語で綴られており、ゲーム内の雰囲気を一層深めています。
パンドラボックス
シリーズには「ツヴァイ」以降、追加された「パンドラボックス」と呼ばれるモードがあります。これはクリア後に解放されるおまけモードで、各作品で異なる特典が用意されています。例えば、「ツヴァイ」や「オルタ」では体力やドラゴンの形態、開始ステージなどを自由に変更してプレイでき、さらなる楽しみを提供しています。「アゼル」ではミニゲームやラギ牧場でのくつろぎが楽しめるなど、バラエティ豊かな要素が満載です。
シリーズ一覧
パンツァードラグーン
セガサターン版
セガサターン用ソフトとして発売されたシューティングゲーム。『パンツァードラグーン』シリーズの第1作となる。『パンツァードラグーン』のタイトルはドイツ語と英語からなっており、直訳すると「装甲の竜騎兵」といった意味。古代文明が産み落とした生物兵器“攻性生物”によって人類が滅びつつある世界で、最強かつ伝説上だけの存在と言われていた「ドラゴン」を駆り、冒険を繰り広げる。
プレイステーション2版
プレイステーション2用ソフトとして発売されたシューティングゲーム。空飛ぶドラゴンの背に乗って世界を駆け抜けるSSの傑作ドラマティックシューティングとなる。SS版を開発したディレクターが監修しており、グラフィックの修正など、より美しい姿でプレイヤーを再び魅了すること間違いなしの「アレンジバージョン」も収録されている。青き竜の飛翔が、滅びゆく世界に希望の閃光を走らせる。
Xbox版
Xbox用ソフト「パンツァードラグーン オルタ」に付属しているソフトで、セガサターン版の初代「パンツァードラグーン」をプレイすることができる。
ニンテンドースイッチ版
2020年4月2日に配信が開始された、初代「パンツァードラグーン」のリメイク作。90年代から長足の進歩を遂げたCG技術によって、グラフィックが大きく向上した。オリジナル版ではステージ途中に暗転して背景を切り替える箇所があるが、リメイク版ではシームレスに繋がる演出に変更された。あくまで海外でのセガサターン版をベースとしている。
パンツァードラグーン ツヴァイ
パンツァードラグーンシリーズ第2作。ツヴァイはドイツ語で2の意。ステージ内に分岐ポイントがあり、一部ステージ構成が変化するなどのギミックが追加された。またゲームのプレイの仕方に応じてドラゴンが様々な形態に進化するという成長要素が加わり、より物語性が高くなった。さらに、溜めたゲージに比例した時間の間無敵状態で画面内の敵全てに自動的にロックオンして攻撃する強力な必殺技「バーサク」も追加された。
アゼル パンツァードラグーンRPG
セガサターン用ソフトとして発売されたロールプレイングゲーム。本作は3Dシューティングゲームである『パンツァードラグーン』シリーズの第3作として発表されたが、シリーズ中で本作のみRPGとして制作。特長としてポリゴンで構築された世界がる。幕間のイベントデモは(一部でムービーが使われたものの)ほとんどリアルタイムポリゴンで描写され、他の場面との違和感を解消している。
パンツァードラグーン オルタ
パンツァードラグーンシリーズの一作。ドラゴンに乗った少女が大空を駆け巡りながら、360度全方位に出現する敵を撃ち落としていくシューティングゲーム。シリーズのウリである360度パノラマシューティングは健在で、これは視点を任意で切り替えながら敵を撃墜していく。ドラゴンの形態を変えていくことで、攻撃重視や防御重視、はたまた回避能力をアップさせるなどが可能。
パンツァードラグーン ミニ
ゲームギア用ソフト、1996年11月22日発売。パンツァードラグーン1に登場した「ブルードラゴン」の他、「レッドドラゴン」「ブラックドラゴン」のどれかを自機として選択可能で、全5ステージを攻略する。
パンツァードラグーン Rゾーン
タイガー・エレクトロニクス社が発売したLCDゲーム機R-zone用のゲーム。R-zoneのローンチタイトルである。ただし制作に二木幸生ディレクターとチーム・アンドロメダがかかわっておらず、シリーズにカウントされない場合が多い。
OVAの魅力
1996年に制作されたオリジナルビデオアニメーション(OVA)も本作の一部で、制作はProduction I.Gが担当しました。このOVAは、フルデジタルアニメーションとしては日本初となる試みであり、ゲームとは異なるストーリーや展開が楽しめます。制作の裏側や注目ポイントが追加されたコメンタリーも見どころの一つで、ゲームファンには特におすすめの内容です。
まとめ
「パンツァードラグーン」シリーズは、独創的な設定や深いストーリー、そして特異な言語といった要素が複雑に絡み合い、独自の世界観を築いています。攻性生物やパンツァー語、そしておまけ要素の充実したゲーム内容は、子供から大人まで様々な層に楽しまれています。新たな冒険と謎に包まれた世界への探求心をくすぐる「パンツァードラグーン」シリーズ、ぜひプレイしてその魅力に迫ってみてください。