1983年にアメリカで生まれたアクションゲーム「スペランカー」は、洞窟の奥深い秘宝を求める洞窟探検家を主人公にした横スクロールの名作です。ティム・マーティンによって開発され、日本ではアイレムが1985年にファミリーコンピュータ用ソフトとして発売しています。このページではそんな「スペランカー」シリーズのゲームについて紹介します。
ゲーム誕生の経緯
ゲームは、原作者のティム・マーティンの趣味の探検に触発されて誕生しました。マーティンは自らの実体験を元に、洞窟の奥深さと厳しさをゲームの中に忠実に表現しています。初代『Spelunker』は、Atari 2600向けに開発されましたが、マイクロ・グラフィック・イメージ社はアタリショックの影響で苦境に立たされ、製品をブローダーバンド社に委譲されています。
その後、ティム・マーティン率いるチームはブローダーバンド社の下で再び活動し、コモドール64版への移植も手がけました。マーティンはコモドール64版まで関与し、以降の版にも原作者として名前が冠されています。
ゲーム内容
プレイヤーはヘルメットをかぶった探検家を操り、エレベーターやトロッコ、ボートなどを駆使して洞窟の最深部にある秘宝を目指します。ただし、探検家は高所からの落下や障害物との接触でミスとなり、厳しいエネルギーゲージの制約もあります。
ゲームにはさまざまなアイテムが存在し、特にジャンプで現れる隠しアイテムや、壁を爆破して出現するダイヤなどがプレイヤーをサポートします。一方で、ゴーストや蝙蝠などの敵キャラクターも登場し、探検家はブラスターやフラッシュで対抗します。
ファミコン版やMSX版では、秘宝の山に到達すると難易度が上昇し、開始地点に戻される仕組みが採用されています。
シリーズの展開
「スペランカー」はその後、続編やリメイクがアイレムによって制作され、2013年にはPlayStation 3およびPlayStation Vita用ソフトとして「スペランカーコレクション」に収録されました。現在、スペランカーの権利はアイレム社員であり、ティム・マーティンと親交のあるスコット津村が設立したTozai Gamesが保有しており、様々なプラットフォームで続編が配信されています。
スペランカー
ファミコン用ソフトとして発売されたサイドビューのアクションゲーム。洞窟探検家の主人公を操作し、数々のワナが待ち受ける地下洞窟に潜入して地底深くにあるピラミッドを目指す。腰の高さほどの段差を落ちただけでミスとなるなど難易度の高さが特徴。非常穴や間欠泉などのトラップをかいくぐり、コウモリやお化けなどの敵を倒して最深部を目指し冒険しよう。
スペランカーII 23の鍵
1986年に登場したアーケード版の続編、「スペランカーII 23の鍵」。前作の魅力を受け継ぎつつ、新しい要素が加わりました。主人公は地底のプリンセスを目指し、氷の床や壁など様々な仕掛けが待ち受けるアクションゲームです。水に潜ったり、スケートボードに乗ったりと、新たな冒険が広がっています。
さらに、2013年にはPS3用ダウンロード専売ソフト『スペランカーコレクション』にも収録され、家庭用ゲーム機に初めて移植。これによって、新しい世代のプレイヤーもこの冒険に参加できるようになりました。
スペランカーII 勇者への挑戦
1987年に登場したファミリーコンピュータ版の続編、「スペランカーII 勇者への挑戦」。この作品ではRPG要素が加わり、探検家・エスパー・聖職者の3人のうち誰かを操作し、謎を解いていくという要素が取り入れられました。ヒットポイントや魔法のようなものも存在し、新たな冒険が広がります。なお、この作品はアイレムが発売したファミリーコンピュータ用カートリッジとしては、最後の作品となりました。
みんなでスペランカー
2009年に登場したPS3ダウンロード専用ソフト『みんなでスペランカー』は、シリーズの中でも特に多人数プレイが楽しめる作品です。Tozai Gamesが制作し、アイレムが発売。キャッチフレーズは「みんなでいこう!愉快な洞窟探検!」。近代的なグラフィックと共に、ファミコン版の雰囲気を楽しめるクラシックモードも搭載されています。25周年を記念して、100ステージが用意され、新しい敵キャラや罠などが追加されています。
みんなでスペランカー ブラック
続いては、2010年に登場した『みんなでスペランカー ブラック』。難易度が一段とアップし、真っ暗な状態でのプレイが楽しめる仕様となっています。シビアな展開が好きなプレイヤーにはたまらない一作でしょう。
スペランカーコレクション
2013年にリリースされたPS3用ダウンロード専用ソフト『スペランカーコレクション』は、M2が制作し、Tozai Gamesが発売。初代Atari版から、ファミコン版、アーケード版、『スペランカーII 23の鍵』までの移植が収録されています。タイムアタックなどのチャレンジモードも搭載し、当時の貴重な資料も一緒に楽しめる作品です。
みんなでスペランカーZ
2015年に登場したPS4用ダウンロード専用ソフト『みんなでスペランカーZ』は、Tozai Gamesが制作し、スクウェア・エニックスが発売。基本プレイが無料のアイテム課金タイトルで、コンティニュー費用やアイテムの獲得などが課金対象となっています。オンライン協力プレイが可能で、PS Vita版もリリースされ、両者でのプレイも楽しめます。
みんなでワイワイ!スペランカー
2017年に発売されたNintendo Switch用ソフト『みんなでワイワイ!スペランカー』。これは、PS4用ダウンロード専用ソフト『みんなでスペランカーZ』をベースにしており、TVモード、テーブルモード、携帯モードと3つのプレイスタイルに対応しています。オンライン協力プレイも可能で、ファミリーコンピュータ用ソフト『スペランカー2 勇者への挑戦』以来となる、Nintendo Switchでの発売がされています。
まとめ
「スペランカー」シリーズは、洞窟の中で繰り広げられる冒険と秘宝探しの楽しさが広がる、魅力的なゲームシリーズです。アイレムからリリースされたこれらの作品は、どれも個性的でプレイヤーを引き込む要素が満載です。
洞窟探検の冒険、シビアなゲームプレイ、そしてユニークなアイテムやキャラクターが魅力の「スペランカー」シリーズは、ゲーム史に名を刻んでいます。その厳しい探検の中で、プレイヤーは洞窟の奥深さと魅力を味わうことでしょう。