『エヴァーグレイス』シリーズは、フロム・ソフトウェアによるPlayStation2向けのアクションRPGで、装備によってキャラクターが強くなる「ドレスアップシステム」が特徴です。中世ファンタジーの世界を舞台にした物語と、リアルタイムのアクションが魅力で、プレイヤーは装備を変えることでキャラクターの見た目と能力をカスタマイズできます。この記事では、その魅力、システム、そして物語の概要について深く掘り下げます。
概要とシリーズの始まり
『エヴァーグレイス』は、2000年4月27日にフロム・ソフトウェアから発売され、ジャンルを新たに定義する「コーディネートRPG」として登場しました。このゲームは、キャラクターの装備を変更することで見た目を自由にカスタマイズできる「ドレスアップシステム」を特徴としています。続編である『エヴァーグレイスII』も、2001年6月21日に発売され、シリーズの物語と世界観をさらに拡張しました。
物語と世界
シリーズは、中世ファンタジー風の大陸「エディンベリー」を舞台に展開します。『エヴァーグレイス』の主人公、ユテラルドは、特殊な力を持つ「ビリヤナの樹」に関わる謎を追い、復讐の旅に出ます。一方、『エヴァーグレイスII』は、その数年前の物語で、主人公ユテラルドが友人たちと共に復讐のための旅に出ることから始まります。
ゲームシステム
本シリーズは、リアルタイムで進行するアクションRPGで、プレイヤーはキャラクターを操作して3Dのフィールドを探索し、敵と戦います。特に装備によってキャラクターの見た目だけでなく、能力や使用できるアクションも変わる点が特徴です。『エヴァーグレイス』では、経験値の概念がなく、キャラクターの強化は装備品と特定のアイテムの使用に依存します。『エヴァーグレイスII』では、キャラクター間で共有されるHPシステムや、装備によるキャラクターの強化が引き続き採用されています。
シリーズ作品
エヴァーグレイス
『エヴァーグレイス』は、独自の「コーディネートRPG」としてのアイデンティティ、装備によるキャラクターのカスタマイズ性、そして重厚な物語と世界観で多くのファンを魅了し続けています。その独特なゲームシステムと物語は、今日でも多くのゲームファンから高く評価されています。
物語と世界観
物語の舞台は、中世ファンタジー風の架空の大陸「エディンベリー」です。プレイヤーは、呪いの烙印「クレスト」を持つ少年ユテラルドとしてゲームを開始します。彼はある事件をきっかけに家族を失い、復讐を誓いながら成長していきます。その過程で「ビリヤナの樹」や失われた帝国「リューベーン」など、神秘的な力を持つ存在との遭遇が物語を彩ります。
ゲームシステムの特徴
『エヴァーグレイス』の最大の特徴は、装備に重点を置いたゲームデザインにあります。プレイヤーは装備を変更することで、キャラクターの能力や見た目を自由にカスタマイズできます。これにより、同じゲームをプレイしても、異なる装備選択により新鮮な体験が可能になります。
また、経験値の概念がなく、キャラクターの成長は装備品と特定のアイテムによってのみ行われます。このシステムは、従来のレベルアップに頼るRPGとは一線を画しています。
武器や防具は「パルミラ」と呼ばれる結晶を用いた呪術合成で作られており、特殊能力「パルミラアクション」を使用できます。装備の修理や強化も、ゲームプレイの重要な要素となっています。
主要キャラクター
- ユテラルド:主人公。接近戦を得意とする青年で、呪いの烙印「クレスト」の力を持っています。
- シャルアミ:ユテラルドの幼馴染。遠距離戦を得意とし、物語の途中で失われた帝国「リューベーン」へ飛ばされます。
- フォーリム:ユテラルドが出会う、不思議な鳥のような生き物。元は人間だったが、魔物に姿を変えられてしまいました。
エヴァーグレイスII
『エヴァーグレイスII』は、前作の魅力を引き継ぎつつ、新しいシステムや深い物語でファンを魅了する作品です。キャラクターの成長と彼らの絆の物語は、プレイヤーに深い印象を与えます。ゲームシステムの進化と物語の展開は、このゲームがただの続編にとどまらない、独自の魅力を持つことを証明しています。
物語と設定
『エヴァーグレイスII』の物語は、前作『エヴァーグレイス』の数年前を舞台に展開します。主人公ユテラルドは、幼馴染のリヤナや記憶を失った少女フィルナとともに、復讐のためにストルタ軍への加入を目指して旅をします。この物語は、特別な呪い「魂の呪縛」や、失われた帝国リューベーンの過去に深く関わる謎を解き明かしていきます。
ゲームシステムの進化
『エヴァーグレイスII』では、前作のコーディネートRPGの要素を踏襲しつつ、さらに進化したゲームシステムを採用しています。
- キャラクター切り替え: プレイヤーはユテラルド、リヤナ、フィルナの3人のキャラクターを操作し、それぞれ異なる能力や特技を駆使してゲームを進めます。キャラクターはボタン一つで切り替え可能です。
- 共有HPシステム: 新しいHPシステムとして、ソウルゲージが導入されました。これは3人のキャラクターで共有されるHPであり、このシステムにより、チームワークと戦略の重要性が高まります。
- ドレスアップシステム: 前作に引き続き、装備を変えることでキャラクターの外見とパラメータが変化します。このシステムにより、プレイヤーはキャラクターを自分好みにカスタマイズすることができます。
主要キャラクター
- ユテラルド: 物語の主人公で、右手の甲に「クレスト」と呼ばれる痣を持つ少年。過去の仇を討つために旅を続けています。
- リヤナ: ユテラルドの幼馴染で、知的な性格の持ち主。ユテラルドと共にストルタ軍への加入を目指します。
- フィルナ: 記憶を失った少女で、ユテラルドによって救われた過去があります。不思議な力を持つとされています。
物語の展開
本作では、呪いに苦しむキャラクターたちの成長と絆が描かれます。また、ストルタ軍への加入を目指す旅の中で、多くの謎が解き明かされ、キャラクターたちが直面する困難を乗り越えることで、彼らの内面的な成長が描かれています。
関連商品
エヴァーグレイス クレストを負いし者
『エヴァーグレイス クレストを負いし者』は、2000年8月25日にメディアワークスから発行された、『エヴァーグレイス』の世界をさらに深く掘り下げる公式外伝小説です。著者は高瀬美恵で、彼女は『エヴァーグレイスII』のシナリオも手掛けています。この小説は、ゲーム内では語られなかった背景やキャラクターの内面を深く探ることができ、ファンにとって新たな発見となるでしょう。読むことで、ゲームの世界観がより一層豊かになり、キャラクターたちに対する理解も深まります。
まとめ
『エヴァーグレイス』シリーズは、その独特の「コーディネートRPG」としてのジャンルや、装備によるキャラクターの見た目と能力の変化、そして魅力的なストーリーとキャラクターで多くのファンを魅了しました。リアルタイムのアクションRPGとして、プレイヤーは直接冒険の世界に没入し、その独自のシステムと物語を楽しむことができます。『エヴァーグレイス』と『エヴァーグレイスII』、そして関連する外伝小説は、今もなお多くの人々に愛され続けています。