1987年、アメリカのSoftware Heavenのゲーム開発部門FTL Gamesが生み出した「ダンジョン・マスター」シリーズは、その特異なプレイ感覚とサバイバル要素でゲーマーたちを魅了しました。略称としてDMが広く使われ、日本では愛称的に「ダンマス」と呼ばれています。このシリーズは、コンピュータRPGとしてスタートし、後にメディアミックスで漫画や小説などにも展開されました。このページではそんな「ダンジョン・マスター」シリーズのゲーム作品について紹介します。
特異なプレイ感覚
ダンジョンマスターシリーズの最大の特徴は、3DダンジョンRPGの画面構成を持ちながらも、ダンジョン内での行動ごとに時間が経過するというリアルタイム性です。プレイヤーが移動、戦闘、休息などの行動をとるたびに、時が進行し、敵モンスターやサバイバル要素が影響します。これにより、プレイヤーは状況に応じて柔軟に行動しなければならず、ダンジョンの探索がより緊張感のあるものとなりました。
サバイバル要素も際立っており、HPやMPだけでなく、空腹度や喉の渇きなどもプレイヤーが考慮しなければなりません。これにより、冒険はただの戦闘だけでなく、賢く資源を管理し、生き延びるスキルも求められました。
沿革とメディア展開
シリーズは海外での成功を受け、日本においてもビクター音楽産業によって日本語版が様々なプラットフォームに移植されました。パソコン各機種やスーパーファミコン、メガCDなど、多くのプラットフォームでプレイヤーたちに愛されました。
さらに、漫画版や小説版も展開され、栗橋伸祐による漫画版は『コンプティーク』で連載され、幸田佳子による小説版も電撃文庫から刊行されました。これにより、ダンジョン・マスターシリーズは単なるゲームを超えて、幅広いメディアで展開されるようになりました。
キャラクター選択と戦略
プレイヤーは最大4人までのキャラクターを選び、ダンジョンに挑むことができます。キャラクターの選択は重要であり、初回は4人フルで挑むことが一般的ですが、次第に難易度を上げて1人や2人で挑戦するプレイヤーも現れました。
キャラクターの選択には「復活」と「転生」の2つの方法があり、どちらを選ぶかによってプレイの難易度や展開が変化します。転生の場合は能力値はそのままでレベルが0になり、序盤は苦戦が予想されますが、経験値を積み重ねることで強力なキャラクターに成長させることができます。
未完の冒険
残念ながら、FTL Games社が1996年に倒産したことにより、『ダンジョンマスターII』は未完のまま終了しました。しかし、その影響を受けながらも、ダンジョン・マスターシリーズはその独自のゲームプレイと冒険の要素によって、今でも多くのファンに親しまれています。
シリーズの一覧
ダンジョン・マスター
スーパーファミコン用ソフトとして発売されたコマンド入力型3DダンジョンRPG。ゲーム内に時間の概念が存在する事が特徴でダンジョン内で移動・戦闘・休息といった個別の行動をとるたびに時間の経過が発生する。このためダンジョンの探索や敵モンスターとの遭遇などが、すべてプレイヤーの行動に応じてリアルタイムで進行する。また、空腹度や喉の渇きといったサバイバル要素も存在する。
ダンジョン・マスター セロンズ・クエスト
PCエンジンのスーパーCD-ROM2専用ソフトとして発売されたロールプレイングゲーム。3D表示のダンジョンを探検していく3DダンジョンRPGとなる。本作では時間経過がリアルタイムで進行していく点が特徴となる。食事をしないと死んでしまう、持ち物の重さで行動が制限されるなど、リアルな設定となっている。また、行動はすべてアイコンで指示していくこととなる。
ダンジョン・マスター2 スカルキープ
3Dダンジョンの中をリアルタイムで進行する。自由度が非常に高く、落ちている物は何でも拾う事が可能で、何でも投げることができる。また、本作より地下のダンジョンだけでなく屋外のフィールドも冒険の舞台となっている。謎解きは難解だが、扉の開く音や魔法の発生する音など、「音」を頼りに謎を解く事も可能。
ダンジョン・マスター ネクサス
セガサターン用ソフトとして発売されたロールプレイングゲーム。アメリカ合衆国のFTL Games社が1987年に開発したコンピュータRPG「ダンジョンマスター」シリーズの1作で「ダンジョンマスター」の名を冠した最後の作品。シリーズ従来の90度旋回と擬似3Dではなく、360度旋回可能な3Dのゲームとなっている。
まとめ
「ダンジョン・マスターシリーズ」は、リアルタイムな冒険と戦略、サバイバル要素の融合によって独自のプレイ感覚を提供し、ゲーマーたちに長きにわたり支持されてきました。異なるメディアで展開され、キャラクターの選択や戦略性が魅力の一環となり、未完の冒険もその歴史の一部として今なお語り継がれています。ダンジョン・マスターシリーズは、冒険心をくすぐり、プレイヤーたちに没入感あふれる体験を提供し続けています。